林桂選

2008年10月29日上毛新聞掲載


うんどうかいおつきさまもみてほしい
前橋山王小1年 ささもとこうせい
【評】太陽の光のもとで行う運動会。でも、考えてみれば夜の月は、一度も運動会を見たことがないのです。誰も気がつかなかったことです。
日曜日には風がふいて木がゆれる
前橋大胡小2年 も木 夏み
【評】日曜日ののんびりした感じを「風がふいて木がゆれる」で伝えています。特に変わった風景ではないけれどもしばし見とれています。
あしたがねきっとまってるあめのよる
前橋大胡小2年 くりばらしおり
【評】雨の夜の不安を、「あしたがねきっとまってる」と思うことで打ち消そうとしているようです。もちろん、この明日は晴れのはずです。
日曜日たきを見てたらぬれそうだ
前橋大胡小2年 も木 知之
【評】家族で滝のある景勝地に出かけたのでしょう。滝のしぶきが飛んできそうな距離なのです。滝の大きさを「ぬれそうだ」で感じさせます。
大玉で前が見えなくなったんだ
前橋大胡小2年 上原あや花
【評】運動会で大玉ころがしをしたのです。大玉で視線をふさがれて前が見えません。応援の声を頼りに練習の成果を見せるときです。
遠足で歩いて見つけるきのみかな
中之条小2年 石川  颯
【評】「歩いて見つける」がいい。立ち止まってではなく、歩きながら道端の木の実を拾うのです。そのくらいたくさんある木の実なのです。
公園でどんぐりおちるあきのかぜ
中之条小2年 湯浅茉緒花
【評】公園の木で、ドングリ拾いをしていると、葉をかすめる音をさせて、ドングリが落ちてくることがあります。秋風が落としたのかしら。
秋のかぜいそげかえりみち
中之条小2年 清水 琢ま
【評】短律の自由律句。短い言葉が、そのまま急いでいる思いの表現になっています。短くなった秋の日の中を、風に吹かれて急ぎます。
ピアノでね秋の音をみつけたよ
中之条小2年 すぎさき千ひろ
【評】ピアノの音の響きの中に、秋らしい音色を感じとったのでしょう。しっとりとした、少しさびしいような音なのでしょうか。
海に行きうきわでざぶんとなみこわす
前橋大室小3年 せきねりな
【評】「なみこわす」がいい。浮輪を使って波に乗って遊んでいるのですが、乗った瞬間は「ざぶんとなみこわす」ように感じられます。
さいきんねくものしゃしんをとるんだよ
高崎城山小3年 そねあさか
【評】秋の雲は表情が豊かです。いろいろな雲を写真にとってコレクションしているのです。季語はありませんが、秋の季感があります。
うちのねこシッポがうさぎににているな
前橋桃瀬小3年 丹下 夕花
【評】確かに生まれながらシッポの短い猫がいます。それが「うさぎににている」ように見えるのは、猫をかわいいと思っているからでしょう。
夏祭り屋台をめぐるぼくとパパ
伊勢崎北二小4年 斎藤  駆
【評】「パパとぼく」ではなく、「ぼくとパパ」だから、屋台めぐりの主導権は、作者が持っていたのでしょう。でも、相手がママでは無理?