鈴木伸一選

2008年11月5日上毛新聞掲載


ロープウェイもみじのなかをすいすいと
前橋下川淵小1年 しづかあつき
【評】うつくしい秋の山が、ぱっと目にうかんできます。あつきくんはロープウェイにのっているのかな。ロープウェイを見ているのかな。
たけとんぼとうさんとばしてやねのうえ
前橋山王小1年 すだあいと
【評】お父さんは力がはいりすぎたのかもね。やねの上のたけとんぼは、とるのがたいへんだったでしょうが、それもたのしいおもいでです。
しらさぎがいなほのなかからかおだした
前橋山王小1年 なぐもゆうすけ
【評】ふいに目が合って、シラサギもゆうすけくんも、おたがいにおどろいたのでしょう。シラサギはうつくしいけど、いがいと大きいしね。
シャボン玉空によばれてとんでった
前橋山王小3年 樺沢 紅里
【評】シャボン玉が、思いがけず高いところまでとんでいったのでしょう。もしかしたら、空の上にいる神様が呼んだのかもしれませんね。
妹がかぜがなおったうるさいな
前橋山王小3年 高山 翔汰
【評】かぜがなおって、いつもの元気な妹さんにもどったのです。翔汰君は「うるさいな」と言いながら、本当はうれしいんじゃないかなあ。
登山中きりといっしょに上ってる
前橋山王小3年 広田 大輔
【評】天候の変わりやすい山のようすが、うまく書けています。きりの中を、いっしょうけんめいに登った大輔君、よくがんばりましたね。
水の音しずまりかえり秋がくる
前橋山王小4年 落合 鈴音
【評】秋は、たしかに静けさを感じさせる季節。この句は、山の湖などの情景でしょうか。しんとした空気が、胸にしみこんでくるようです。
風に乗り次はあきにつきますよ
前橋山王小4年 中島 真紀
【評】風の汽車に乗って、真紀さんは季節を旅しているのでしょう。「夏」という名の駅を出て、もうすぐ「秋」という駅に着くのですね。
うんどう会れんしゅうのときもうんどう会
前橋大室小2年 かんざわいくみ
【評】たとえ、れんしゅうであっても、いくみさんは、いっしょうけんめいなのです。それほど、うんどう会が楽しみだということでしょう。
おにわでねすわって見たよかれはのダンス
前橋大室小2年 はぎ原ひまり
【評】かれ葉が風にふかれて、ダンスをおどっています。お客さまは、すわって見ているひまりさん。秋のおわりごろの楽しいひとときです。
さらさらと風ははっぱをおいこすよ
前橋桃川小2年 小すぎかな子
【評】風と木の葉が、まるでおいかけっこをしているみたい。季節は書かれていませんが、「さらさらと」は、やっぱり秋の感じでしょうね。
スーパーにサンマがいたよふとってる
中之条小2年 真貝 香帆
【評】秋の魚といえば、やっぱりサンマ。あぶらがのって、見るからにおいしそうな感じがよく出ていますし、ユーモラスな書きかたもいい。
とかげがねさっとよこぎるぼくの前
高崎城山小2年 なが田りゅうせい
【評】トカゲの動きって、ほんとにこういう感じです。すばやくよこぎるから、青緑に光るからだの色が、よけい印象(いんしょう)にのこるのでしょうね。
大けやき登りぼうでもとどかない
前橋大胡小4年 狩野安茉音
【評】登りぼうの上まで行っても、大ケヤキの枝には、まだとどかないのです。大ケヤキってすごいなあ、という気持ちが、よく出ています。
うろこ雲ふわふわ地面におっこちそう
前橋大胡小4年 堀川 穂高
【評】ふわふわとしたうろこ雲が、秋の空にうかんでいます。「地面におっこちそう」と思えるくらい、空一面に広がっていたのでしょうね。
妹のえがおがゆれるコスモスと
前橋桃瀬小4年 富沢 絢愛
【評】風にゆれるコスモスも愛らしいですが、絢愛さんには妹さんの笑顔が、世界で一番かわいいのです。お姉さんらしい、やさしい俳句。
みんなで見た花火大会きれいだな
伊勢崎境島小4年 小暮 菜々
【評】みんないっしょだったからこそ、花火がきれいに見えたのでしょう。家族や友だちがそばにいてくれるのって、本当に幸せなことです。
*伊勢崎境島小の作品は、後藤三佐子先生に指導していただいたものです。