鈴木伸一選

2008年12月3日上毛新聞掲載


しろいきりみんながあるいてびっくりだ
前橋大室小1年 はぎわらゆの
【評】ふかいきりが出て、まわりがよく見えません。学校に行く朝だと思いますが、あまりけいけんしたことがないだけに、びっくりですね。
きょうはぶらんこはかぜにむかってとんでかないよ
前橋大室小1年 まつむらそうた
【評】雨の日かな。それとも、ブランコであそぶにはさむすぎる日かな。のる人のいないブランコは、すこしさびしそうなようすに見えます。
からすうりせんせいジャンプでとれました
前橋大室小1年 山田 もか
【評】もかさんがとどかなかったカラスウリを、先生がジャンプでとってくれたのです。「先生はすごいなあ」という、もかさんの気もちが、とてもよくつたわってきます。
おかあさんかきをもいだらぼくきゃっち
前橋山王小1年 いしかわみきや
【評】お母さんがもいだカキを、みきやくんが下でキャッチするのです。二人のいきがぴったり合って、見るからにたのしげなようすだなあ。
ふゆになるぐんまはいっぱいはれになる
前橋山王小1年 しみずふうこ
【評】山のほうはともかく、ぐんまの冬は雪がすくなく、晴れてかわいた日が多いという感じが、やっぱりつよいですよね。気もちいい冬晴れに、いっぱいあそびましょう。
おとうととやっとやきゅうができたんだ
前橋山王小2年 高はしとしき
【評】小さかった弟さんも、ようやくとしき君と野球ができるまで成長したのです。お兄さんとしてのうれしい気持ちが、よく出ています。
にいちゃんのこうないほうそうわらっちゃう
前橋山王小3年 木内いつき
【評】お兄さんの校内放送。笑っちゃうようなおもしろいことを言ったのでしょうが、同時に、ちょっとてれくさくて笑っちゃったのかもね。
寒い日はロボットみたいな動きする
前橋山王小4年 東 美由紀
【評】寒い日はからだがちぢこまって、どことなくぎくしゃくとした動きになってしまうものね。そんな様子を、ユーモラスに表現しました。
水道の水がポチャリと秋の音
前橋山王小4年 林  拓実
【評】水道の蛇口からポチャリと水がたれる音に、ふと秋のおとずれを感じた拓実君。まわりの空気も、どこかひんやりとしてくるようです。
秋の風わたしをとんとたたいてく
前橋山王小4年 平井 美優
【評】肩をとんと軽くたたくような感じが、いかにも秋の風らしいですね。美優さんと秋風は、なかよしの友だちみたいな気がしてきます。
かれはちりあそんでいるともうくらい
前橋新田小2年 岩まつねお
【評】かれ葉がちるころは、日がしずむのが本当にはやくなります。楽しくあそんでいると、くらくなるのもよけいにはやく感じられますね。
どんぐりやもみじがおちるすごいやま
昭和大河原小2年 阿部 健世
【評】たくさんのドングリが落ち、いっぱいのモミジがうつくしい山。「すごい」というすなおな言いかたに、感動の大きさが出ています。
秋の空むこうの山がさみしそう
高崎堤ケ岡小3年 青木菜奈可
【評】似た作品はありますが、この句はこの句で、どこかさびしい秋の気分を、よくとらえています。「むこうの」という言葉がいいですね。
こたつはね家族みんなで話す場所
高崎城山小4年 柴田 空真
【評】家族みんながあたたかいこたつにあたって、楽しくおしゃべりをする。ごくありふれた光景のようだけど、本当は、これが一番幸せなことなんじゃないかな。
家中の足をあつめるこたつかな
前橋駒形小4年 荻原 香夏
【評】この句にも、こたつの心地よさを通して、家族のあたたかな心のつながりが描かれています。足がぶつかるくらいの方が楽しいですね。
土曜日はでんきのような月だった
前橋大胡小4年 茂木 達彦
【評】何だか電気じかけで光っているみたいな、ふしぎな色の月だったのでしょう。月の様子をよく観察して、おもしろい発見をしましたね。
いねかりの後にするんだ土の香が
藤岡美土里小4年 飯田 理沙
【評】いねかり後の田んぼは、とてもさっぱりとした感じがします。そんな中だからこそ、土のにおいを嗅か(か)ぎ取ることができたのでしょう。
運動会たいふうとばしてはれになる
伊勢崎境剛志小4年 和佐田千怜
【評】今年は、ちょうど運動会が行われるころに、台風が近づいてきましたね。でも、みんなの強い思いが、台風をふきとばしたのでしょう。