鈴木伸一選

2009年1月7日上毛新聞掲載


ふゆのあさまどのそとにはとりのむれ
前橋大胡小1年 さいとうゆうき
【評】さむいけれども、よくはれた冬の朝だろうね。きっと鳥たちのこえがにぎやかで、そのこえに元気さをもらった感じがしたのでしょう。
わたしのねだいこん小さいでも太い
前橋大胡小2年 石村さくら
【評】学校でダイコンをそだてているのかな。さくらさんのダイコンは、友だちがそだてたものより小さいけど、太くてきっとおいしいはず。
さむい冬足をふんばる大けやき
前橋大胡小2年 岩田 みく
【評】大胡小の大ケヤキは本当にたくましくて、さむい冬でもどうどうとしています。そのすがたに、みくさんも勇気づけられたのでしょう。
あさそうじことしはじめてしもばしら
前橋山王小1年 くりばらなな
【評】朝そうじはさむくていやだなあ、なんて思ったら、しもばしらにも気がつきません。何でも楽しくやれば、すてきな発見に出合えます。
葉が落ちて鳥のすだけがのこってた
前橋山王小3年 長谷川 慎
【評】葉がすっかり落ちたはだかの木だから、鳥の巣が見つかったのです。慎君が冬の木をよく観察したので、こういう発見ができたんだね。
青空にきれいにさいたきくの花
中之条小2年 鈴木 里菜
【評】すみわたった秋の青空のもと、きれいにさいたキクの花が、くっきりと目にうかんできます。大ぶりの花がふさわしい感じがしますね。
もっきんではたいてみたらあきのおと
中之条小2年 はぎわらさき
【評】かろやかなもっきんの音色(ねいろ)は、なるほど、空気のすんだ秋という季節によく合っています。「あきのおと」がじょうずな言いかたです。
赤ちゃんはねこさんみたいにないている
ねぎしゆいか
【評】子猫のなき声も赤ちゃんのなき声も、本当にかわいらしいよね。ゆいかさんのおねえさんらしいやさしさが、よく出ているはいくです。
赤とんぼにわで楽しくあきまつり
前橋大室小2年 はぎ原ひまり
【評】たくさんの赤トンボが、すいすいとにわをとびまわっています。その楽しそうなようすが、おまつりをしているように思えたのですね。
さむい朝外は一番さむい朝
前橋大室小3年 石づかのぞみ
【評】「この冬一番の寒さです」と天気よほうでときどき言っています。「さむい朝」のくり返しで、本当に寒かったことがよくわかります。
秋の空ふわふわドームでジャンプした
高崎城山小2年 とみおかりつ
【評】「ふわふわドーム」は、トランポリンみたいにはずむ遊具のことかな。秋の空にとどく気がするほど高くとんだら、ほんとに楽しいね。
さむそうよやきいも売ってるおじいさん
高崎城山小3年 藤原  凪
【評】やきいもはほかほかだけど、それを売っているおじいさんは、北風の中でとても寒そうに見えます。凪さんのやさしさがいいですね。
牛のはないつもつめたい水びたし
前橋月田小3年 吉田 早紀
【評】牛の鼻って、たしかにいつもしめっていますね。実際にさわってみないとわからないことだし、こういう体験は、俳句にもすごく大事。
あつぎしてだるまのようなぼくのかげ
中之条名久田小3年 小渕 真暉
【評】「だるまのような」というたとえがおもしろい。私も寒いのはにが手で、どうしても厚着をしちゃうから、この句はよくわかります。
冬の風小さな雪と徒競走
伊勢崎殖蓮小4年 堀川 桃佳
【評】山の雪が風に飛んできて、晴れた空にまうのを風花(かざはな)と言いますが、この句も、その様子かな。「徒競走」というたとえが生きています。
家帰りこたつに入り宿題だ
渋川津久田小4年 上村 夏希
【評】「こたつに入りゲームだ」なんてなりがちですが、夏希さんは、まず宿題をやってしまおうというのです。その方が、後で楽だものね。