林桂選

2009年2月4日上毛新聞掲載


黒髪をしとどに濡らす時雨かな
吾妻高1年 山田 礼子
【評】突然の時雨(しぐれ)に濡(ぬ)れざるを得ない状況。「黒髪」に絞って表現して成功しています。「しとどに」の古語表現も効果的です。
恋しさを風花にのせ届けたい
   渋川青翠高2年 中島  奏
【評】「風花」という可憐(かれん)な名前、そしてまだ見ぬ地から吹き寄せられる雪。届けることのできない恋の思いに重ねたくなる存在です。
靴下に夢入れ眠るイヴの夜
渋川青翠高2年 宮崎 瑞加
【評】サンタさんがプレゼントを入れるまでは、靴下には子どもの夢が入っているのです。サンタさんは子どもの夢を持ち帰るのでしょうか。
春近し甘噛みし合う子犬達
共愛学園高2年 永田 愛香
【評】じゃれて遊ぶ子犬の兄弟たちの愛らしいようすを「甘噛(か)みし合う」で巧みに表現。「春近し」の取り合わせもいい。秀作です。
秋の空なぜか寂しいにおいする
共愛学園高2年 藤井 絹佳
【評】秋という季節がもつもの寂しさ。どこから来るとも知れない思いを、作者は秋の空の匂(にお)いだといいます。感性のいい秀句です。
パソコンも今日はお休み雪の空
共愛学園高2年 中林 彩果
【評】いつも向かっているパソコンも、今日は雪を見るためにお休み。童心に帰ります。童心には雪は見続けていたい特別な存在なのです。