林桂選

2009年2月4日上毛新聞掲載


さむいよるくもがどいたら月ひかる
前橋山王小1年 いしざきゆうと
【評】寒月の冴(さ)えた寒々とした光が「月ひかる」に表現されています。流れる雲間から現れることで、一層光が強く感じられるのです。
こくごはたのしいテストもいっぱいだ
前橋山王小1年 つかごしあやの
【評】「たのしいテスト」がいい。楽しければ、テストのできも当然よくなるでしょう。この気持ちを忘れずにがんばってください。
はがぬけたあながあいておとしあな
前橋大室小1年 さいとうゆほ
【評】「おとしあな」に、何度も舌の先を落としては確かめるのです。歯が抜けたばかりの違和感を、おもしろく表現しています。
さんたさんぼくのツリーを見にきてね
前橋大胡小1年 えだはやと
【評】きれいに飾り付けたクリスマスツリーは、サンタクロースに見せるためのものだったのですね。プレゼントへの感謝をこめて。
ふゆ休みねこのみるくにあいにゆく
前橋桃川小1年 はとりももか
【評】「みるく」という名前のネコは、祖父母の家に飼われているのでしょう。冬休みに遊びに行く楽しみの一つになっているのです。
晴れた空なかまをよんでたき火する
前橋桃川小2年 加辺 満芳
【評】もちろん、お父さん、お母さんも一緒。「晴れた空」には、冬の澄んだ寒い空気が感じられます。マシュマロもイモも焼いたのかな?
じゅぎょうちゅう先生うたってヒントだす
伊勢崎あずま北小2年 すわのぞみ
【評】答えのヒントを歌ってだす先生。みんな聞き耳をたてます。楽しそうな授業です。歌詞は、先生がその場で考えるのでしょうね。
いもうとがぺんぎんみたいにあるいてる
前橋山王小1年 ゆもといくみ
【評】小さくてまだヨチヨチ歩きの妹さんなのでしょう。それを「ぺんぎんみたい」と表現。もちろん、かわいらしさの表現になっています。
父さんと二人ですごす日曜日
 前橋山王小3年 くわ原立太ろう
【評】他の家族は何かの用でお出かけ。お父さんと二人だけ家に残りました。でも、十分楽しそう。何をして過ごしたのでしょう。
かいてんずしあそこにあるのにまだこない
高崎国府小3年 さいとうかえで
【評】食べたいと思うすし店は遠くにあっても目につきます。自分のところに来る前に取られてしまったら大変。「まだこない」がいい。
姉ちゃんが家中まきこみさがしもの
前橋桃瀬小3年 矢嶋 里奈
【評】最初は一人で探していたのでしょうが、いつの間にか家族全員での探し物に発展。どこの家にもありそうです。「家中まきこみ」がいい。
青空にがんばる気持ちがとどいてる
前橋桃瀬小3年 入え 美ほ
【評】人が見ていてもいなくても、頑張ろうという気持ちを持っているのです。青空に届いているような気持ちは、いつか実を結びます。
つよい風ビニールブクロ歩いてる
前橋桃瀬小3年 水上 なつ
【評】強い風に飛ばされてゆくビニール袋。まるで地面を速足で歩いているように見えます。歩いているようだという発見が句を生みました。
今日の空くもといっしょにすごしてる
前橋桃瀬小3年 市川とうま
【評】一日中曇っている日。それを空が「くもといっしょにすごしてる」と表現。感性のいい句です。曇りの日も楽しく過ごせそうですね。
大けやき冬のよぞらをかんさつだ
前橋大胡小3年 ながいりな
【評】大きく黒々と夜空に立っている大ケヤキ。まるで夜空を観察している天文学者のようです。見立てもおもしろく、感性もいい作品です。
しもばしら毎朝全部ふみきれない
前橋大胡小4年 大竹菜々佳
【評】「毎朝全部ふみきれない」がおもしろい。できることなら、見つけた霜柱は全部踏んでしまいたいのです。霜柱踏みの楽しさの表現。
兄ちゃんはおりづるもっておきなわへ
前橋大胡小4年 山口しおり
【評】お兄さんは、沖縄へ修学旅行へ行ったのでしょうね。戦災地をめぐり、戦争で亡くなった人々に祈りをささげる折り鶴を用意したのです。
落葉ふむ朝の通学音楽隊
前橋桃瀬小4年 富沢 絢愛
【評】みんなで落葉を踏んで、音を出しながらの登校。楽しい音がして、登校班が、「音楽隊」になったようです。楽しい句です。