鈴木伸一選

2009年3月25日上毛新聞掲載


木に四羽今日はとびでも寒いのか
前橋大胡小5年 榎戸 真弓
【評】木にとまった四羽のトビに、寒さをあらためて実感した榎戸さん。トビというと、普通は空をのんびりと飛ぶ姿が想像されますものね。
春が来た桜まんかいおれまんぷく
前橋新田小5年 都丸 雰也
【評】「まんかい」と「まんぷく」。どちらも最高の状態です。さらに、おなかいっぱいご馳走(ちそう)を食べて、「まんぞく」というわけでしょう。
枯あしの中で鳥たち遊んでる
邑楽長柄小6年 根岸 春奈
【評】何本もの枯れたアシが一かたまりになり、それがざわざわと動きます。「ああ、鳥がいるんだ」と思い、うれしくなった根岸さんです。
ふきのとうここぞとばかり顔を出す
中之条中1年 宮崎 拓生
【評】フキノトウは雪解けとともに、他の植物に先がけて土から顔を出します。春の訪れを告げるために、勇んで出てきたようでもあります。
だんだんと歩幅広がり春近し
中之条中1年 宮崎 菜奈
【評】近づく春の気配を感じるともなく感じ、歩みにも自然と力がこもります。日々の生活を通して、季節が生き生きととらえられています。
あたたかい笑顔で春をむかえよう
太田旭中1年 篠原 達矢
【評】世の中は私たち自身の心次第で、あたたかくも冷たくもなります。だれもが篠原君のような心でいられたら、どんなにいいでしょう。
昼干した布団で感じる春の訪れ
渋川小野上中1年 小野 琢郎
【評】日の光をたっぷりと吸った布団にぬくぬくとくるまれば、確かに春の訪れが実感されます。今夜は、いい夢が見られることでしょう。
おひなさま窓ごしに春を見つめてる
渋川小野上中2年 小野恵里佳
【評】窓の外をじっと見つめている内裏(だいり)びなの上品な顔立ちは、どこかさびしそうでもあります。身動きできないことのさびしさでしょうか。
テスト中首を傾げるシクラメン
渋川小野上中2年 村上 千織
【評】難問に悪戦苦闘していると、教室に置かれたシクラメンも、いつになく首を傾げているように見えるのです。なるほど、実感でしょう。
ポップコーン春へと向けて飛び跳ねる
渋川小野上中3年 沢下 未来
【評】私もポップコーンを作ったことがありますが、ポンポンとはじけて、なかなか面白いですね。春到来の弾む気分に、よく合っています。
探してよとばかりに広がるクローバー
渋川小野上中3年 樋田 真季
【評】幸運のシンボルである四つ葉を探してごらんとでもいうように、野原一面に広がるクローバー。その誘いに、私も乗ってみましょう。