鈴木伸一選

2009年4月8日上毛新聞掲載


もちたべてのびて天までとどきそう
前橋山王小1年 あらがねみなほ
【評】おもちが長くのびると、とてもたのしいよね。そんな気分が、「天までとどきそう」という、びっくりするような表現を生んだのです。
かぜがふきおちばがぼくをおいかける
前橋山王小1年 いしかわみきや
【評】自分がおち葉をおいかけるというのはよくあるけど、このはいくは、ぎゃくの発想(はっそう)。おち葉は、みきやくんとあそびたかったのかもね。
ばあちゃんのおはかをそうじわらってた
前橋山王小1年 くりばらなな
【評】おはかをそうじしていたら、元気なころのおばあちゃんを思い出したのです。ななさんに、ありがとうって言っているのでしょうね。
とうこうはん風にのってとりが来る
前橋山王小2年 田代 将弘
【評】「風にのって」から、気持ちよさそうにとぶ鳥が、ぱっと目にうかびます。そんな鳥のようすを見ながら、楽しく登校する将弘君です。
おひなさまかたづける前歌うたう
前橋山王小3年 むとうはやな
【評】おひなさまをかたづけてしまうと、来年まで会えませんものね。お別れのあいさつのかわりに、ひなまつりの歌をうたったのでしょう。
もうすこしいもうといえそうさしすせそ
前橋大胡小1年 こすげゆめ
【評】「さしすせそ」の発音は、小さい子にはむずかしいんだよね。ゆめさんは、そんないもうとをおうえんする、やさしいおねえさんです。
花ふぶきぜんまいみたいにまわってる
前橋大胡小1年 よし川こうた
【評】時計などにつかわれているゼンマイみたいに、花ふぶきが風にぐるぐるとうずまいているのです。おもしろいことを発見しましたね。
うちの庭植木屋さんが春じたく
前橋大胡小4年 高橋 茉優
【評】植木屋さんの軽やかなはさみの音を聞いていると、春が来るなあ、とウキウキしてきます。「春じたく」という言い方がうまいですね。
川の音はるがきたよときこえたよ
前橋大室小1年 はぎわらかな
【評】川の音も、きせつごとにみんなちがいます。ふだんからはいくにしたしんでいると、こういうことにも、ぱっと気づくようになります。
ふくらんださくらのつぼみまんぷくだ
前橋大室小4年 神沢 友希
【評】花が開く直前の桜のつぼみは、はち切れんばかりに大きくふくらんでいます。その様子を、「まんぷく」とユーモラスに表現しました。
おちつかないありうごきだすいいよかん
前橋桃川小2年 斉とうゆい
【評】行ったり来たりしていたアリがふと止まり、目的地をきめたかのように、また動き出したのです。アリのようすを、よく観察しました。
春の風なみのような音がする
前橋桃瀬小2年 桑原 志門
【評】そよそよとふく春風に、いつか見た海の、しずかな波の音が思い出されたのでしょう。春風も波も、心がいやされるやさしい音です。
春がきた雪がふったのわすれそう
前橋桃瀬小2年 中嶋ななか
【評】すっかりあたたかくなって、みんなの心の中は、春が来たよろこびでいっぱいです。ちょっと前までは、寒くてしかたなかったのにね。
さくらさく一年生がジャンプする
前橋桃瀬小4年 武田 まき
【評】きれいにさいた桜の下で、一年生が元気にとびはねています。何ともかわいらしいその様子を、まきさんはやさしく見守っています。
一年生さくらの中につつまれる
伊勢崎北二小3年 嶋崎みずき
【評】かわいらしい一年生に、桜の花はよく似合います。みずきさんたちと同じように、満開の桜も一年生をかんげいしているみたいです。
校庭にみんな集まり桜咲く
伊勢崎北二小4年 岩内 拓道
【評】校庭で遊ぶ拓道君たちの元気さが伝わって、桜も力いっぱいに咲いているような感じがします。すてきな学校だなあ、と思いました。
パンジーに二月の雨が会いに来た
赤城養護小児医療センター分校小4年 杉沢 美南
【評】かわいて元気を失いかけたパンジーに、なかよしの雨が会いに来たという感じ。うれしそうなパンジーの様子が、目にうかぶようです。
テストして空を見たらね春の空
伊勢崎境剛志小4年 くどうけんご
【評】テストを終えた後の伸び伸びとした気分が、すなおに出ています。結果はあまり気にせず、あたたかな空の下で思いきり遊びましょう。
始業式校歌で息が白かった
伊勢崎境剛志小4年 須貝 康平
【評】三学期の始業式でしょう。一月はじめのことだから、寒くて、校歌をうたうと息もまっ白です。季節感が、とてもよく出ていますね。
そうじ中わたりろう下は寒かった
伊勢崎境剛志小4年 田代 鈴果
【評】渡りろう下は風もじかに当たるので、ほんとに寒かったでしょう。それでも、最後までちゃんとそうじをした鈴果さんは、りっぱです。
冬げしきわたがし持って立っている
高崎久留馬小4年 飯島 佳奈
【評】佳奈さんが綿菓子を持って、冬景色をながめているのかな。ふりつもった雪を、綿菓子にたとえて表現したと読んでもよさそうですが。
あきのやまもみじのぬのにつつまれる
高崎久留馬小4年 加藤沙弥香
【評】山全体が一枚の赤い布でつつまれたように見えるくらい、たくさんの木々がいっせいに色づいています。何て美しい秋の風景でしょう。

※ 学校、学年は投稿時のものです。