鈴木伸一選

2009年6月17日上毛新聞掲載


さくらさき登校はんがにぎやかだ
前橋山王小5年 ジョンソンリラ
【評】1年生が新しく加わり、登校班が一段とにぎやかになったのでしょう。新学期のはずむ気分が、よく出ています。
一年生菜の花畑にならんでる
前橋山王小5年 渡辺 智也
【評】実際の情景でしょうが、一方、菜の花を見て、黄色いぼうしの1年生を思いうかべたと読むこともできそうです。
春の道犬の頭にサクラちる
前橋下川渕小5年 森島 成昭
【評】愛犬を連れて散歩でしょうか。たまたま出合った、よその犬でしょうか。どちらにしても、春の季節感たっぷり。
きりの中武尊山指すゆび一本
片品武尊根小6年 三浦 怜奈
【評】「ゆび一本」が、とても印象的な表現です。霧の中にぼうっと浮かんだ武尊山が、何とも神秘的に見えてきます。
夏休みキラキラすながひかってる
榛東北小6年 青野 望羽(みう)
【評】砂浜だけでなく、学校などの砂場でも家の庭でもいい。どこもかしこもキラキラして、それがいかにも夏の感じ。
夏の夜こぼれた思いが光り出す
中之条中2年 塩野谷(しおのや)直佳(なおか)
【評】作者の胸の中にあるさまざまな思いがこぼれ出て、星々と呼応するかのように光るのです。豊かな青春性がいい。
空高く舞いあがる蝶が夏を呼ぶ
中之条中2年 山崎 奈央
【評】伸びやかさに好感が持てます。蝶の動きに連れて読者の視線も上昇してゆくわけですが、それがとても心地よい。
校庭に梅雨入りという風がふく
渋川小野上中2年 小野 秀哲
【評】どことなく湿った風に、あらためて梅雨入りを感じた小野君。学校生活を通して季節をとらえたのがよかった。
河蜻蛉影だけ残る水の上
渋川小野上中3年 鈴木みちる
【評】小型でほっそりしたカワトンボは、どこかはかない感じもします。「影だけ残る」が、そんな印象を描いて見事。
雨の音座敷童子が走りけり
沼田中3年 阿部ふみの
【評】座敷童子(ざしきわらし)は小さな子供の姿をしているそうです。ぱらぱらという雨音に、いたずら好きの妖怪の姿が重なります。
桜散る僕の闇へと落ちてゆく
高崎中尾中3年 富田 健太
【評】自分の内面の闇を見つめるのは、相応の痛みを伴うことでしょう。それを落花が癒やしてくれるといいのですが。
麦の色もうふみたいにやわらかそう
前橋粕川小5年 栗原啓由樹(ひろゆき)
学校が山にかこまれかくれんぼ
沼田利根東小5年 高橋 亮成
かえりみちくわの実つまんで早おやつ
前橋駒形小5年 狩野友里香
登校はんぼくの前にはてんこう生
前橋山王小5年 小池 隆平
かんらん車桜と目線が重なった
前橋山王小5年 小泉 彩佳
はるかぜがいちねんせいのこえはこぶ
前橋山王小5年 真貝 茉里
いもうとが遊んでくれよとうなってる
前橋山王小5年 登丸 公介
しんがっきけやきもさくらもやさしいな
前橋大胡小5年 さとうまい
自転車に乗ってみつけた春の色
前橋大胡小5年 原田 りか
友達がたけのこ持ってやって来た
前橋大胡小6年 斉藤 千冬(ちと)
水遊び遊べばだんだん日がしずむ
前橋細井小6年 飯沼 二朗
笑い声空にひびくよ水の音
前橋細井小6年 藤井 七緒(なお)
春の日にみんなで登るのぼりぼう
榛東北小6年 陽田(ようだ) 拓馬(たくま)
おこられて鎌倉の旅わすれない
片品小6年 星野 大輝
夏の雲流れ流れて海へ向かう
伊勢崎坂東小6年 長瀬 一貴
キュウリ苗光につるをまきつけて
前橋七中1年 栗原 有加
教室に入ってまぶしい夏来たり
渋川小野上中1年 樋田 浩治
新緑の峠をぬけて合宿へ
渋川小野上中2年 野村 昂平
夏休み苺頬張る委員長
渋川小野上中3年 村上 千織
ラケットを遠き若葉にふりかざす
中之条中2年 一場 悠里(ゆうり)
春風を切りとっていく父の肩
中之条中2年 小池 悠介
カッターにとんぼをのせてひとまわり
中之条中2年 斉藤 有希
夏の空静かに響く友の声
中之条中2年 篠原 綾那(あやな)
夕焼けにテニスコートも包まれて
中之条中2年 冨沢 仁志(ひとし)
梅雨の空金銀あとの銅の色
前橋木瀬中3年 柿沼  光
白い靴茶色に汚して夏が来る
前橋木瀬中3年 篠原 瑞希