| 鈴木伸一選 |
2009年7月1日上毛新聞掲載
| 桜桃忌高渋線が渋滞中 | |
| 前橋西高1年 南雲 敬介 | |
| 【評】若いファンも多い太宰治の命日が、桜桃忌。渋滞した道路が、曲折に満ちたその生涯を暗示しているようです。 | |
| 自転車でまたも転んだ桜桃忌 | |
| 前橋西高1年 宮下 祐太 | |
| 【評】太宰の作品には多く、自虐的とも言える道化的精神が感じられます。この句にも、似通った印象を受けました。 | |
| 高校生だるく感じる桜桃忌 | |
| 前橋西高1年 八木 愛華 | |
| うつむけば花よりあかき桜しべ | |
| 新島学園高2年 上原 茜 | |
| 青春の小さな棘か夏薊(あざみ) | |
| 高崎高3年 美細津(みさいず)吉泰(よしやす) | |
| 【総評】今回は、高校生の句に面白いものがありました。たとえば前橋西高の作品ですが、特定の人物の忌日に、それとは無関係に見える事象を配し、予想外なイメージのふくらみを獲得しています。「意外性」という、俳句の重要なポイントを示す好例ですが、むろん、こういった手法を模倣しただけでは、二番煎(せん)じ の感は免れません。これまで何度も述べてきたように、モノをよく観察し、十分に想像力を広げてこそ、オリジナリティーのある意外性は獲得できるものと考えるべきでしょう。 | |