鈴木伸一選

2009年7月29日上毛新聞掲載


空蝉(うつせみ)や過ぎゆく時間身にまとい
高崎高3年 美細津吉泰
【評】セミの抜け殻に、「停止した時間」を思う人もいるでしょう。「過ぎゆく時間」との差異を検証してみましょう。


【総評】先週のこの欄で、林桂先生が「類句」に触れていましたが、確かに似た作品が目につくことはよくあります。特に、クラスでテーマを決めて句作りをした場合などに、そうした傾向が多く見られるようです。もっとも、テーマを決めておいた方が俳句を書きやすいという面もあるので、一概に良しあしを言うことはできません。ただ、一つ言えるのは、ほとんどの類句に想像力が不足しているということです。ちょっと前に、ケムシの気持ちになって書かれた詩を紹介しましたが、たとえばカエルがケロケロ鳴いているなら、鳴いているカエルの気持ちを想像してみることです。自分がカエルに変身してみることと言ってもいいでしょう。次に俳句を作るときは、こうした点にも注意してください。