鈴木伸一選

2009年7月15日上毛新聞掲載


緑の葉木からあふれてせみが鳴く
前橋下川渕小5年 吉田  愛
【評】いっせいに鳴き出したセミたちの声が、まるで木からあふれ出すようだというのです。なるほど、と思いました。 <
店先のゆかた見ながら夏思う
みなかみ幸知小6年 羽鳥 彩香
【【評】店先にかざられたゆかたを見ながら、もうじきやって来る夏を思った羽鳥さん。楽しい夏を過ごしてくださいね。
桜桃忌風のメロスが駆け抜ける
前橋七中1年 栗原 有加
【評】「桜桃忌」は、作家太宰治の命日。さっと吹き抜けていった夏の風に、『走れメロス』を重ね合わせたのが巧み。
試合してやっと一勝夏の空
渋川小野上中1年 新井 航大(こうだい)
【評】「やっと」という一語に、すごく実感があります。夏の青空が、新井君たちの努力をたたえているかのようです。
朝練が終わったあとは風光る
中之条中1年 山田 菜摘
【評】春の季語「風光る」は、いかにも明るい陽光を感じさせます。朝練習後のすがすがしい気分ともぴったりです。
雨あがりしずくに映る青い地球
中之条中2年 篠原 怜珠(さとみ)
【評】こういう句を読むと、これからもみんなが手をたずさえて、地球の青さを守ってゆかなければと痛切に感じます。
朝つゆのきらめく中でバスを待つ
六合中3年 山本  舞
【評】スクールバスを待っているのでしょう。何ともすがすがしい作品で、今日もいい一日であることを予感させます。
水田にうつる雲なら手が届く
前橋山王小5年 岡本 和紗
空気がね空の色よりすんでいた
前橋粕川小5年 長沢 夏帆
梅雨いりだ天使が泣いてるしょうこかな
前橋広瀬小5年 高草木加奈
春の空古都鎌倉によく似あう
前橋広瀬小6年 川隅 咲良(さくら)
大仏の緑のかげからリスの顔
前橋元総社南小6年 岩崎  彩
※前橋元総社南小の作品は、天沼里美先生に指導していただいたものです。
登ったら風が背を押すジャングルジム
下仁田小坂小6年 工藤  彪
アジサイのあたまどっしりゆれている
下仁田小坂小6年 佐藤 可菜
梅雨の朝祖父はもうすぐ手術する
邑楽南中1年 根岸 春奈
母の背に疲れ見つけた夏の朝
中之条中2年 小渕 玲奈
夏風を高き空へと投げ返す
中之条中2年 小池 悠介
教室で一人で読書雨が降る
中之条中2年 斉藤 有希
夏空にシュートをきめる郡大会
中之条中2年 田村未菜美(みなみ)
梅雨空を見上げる僕の重い息
渋川小野上中2年 野村 昂平(こうへい)
塾帰り車を降りてほたる追う
渋川小野上中2年 野村 聡太
水はった田んぼに落ちたよテニスボール
渋川小野上中3年 佐藤 千栄
洗濯物母の匂いも混じりける
前橋木瀬中3年 鈴木 美結
びわをとる顔が幼い祖父と祖母
前橋木瀬中3年 中沢 涼
こいのぼり今日こそ空に飛んでゆけ
神流中里中3年 茂木 雄基(よしき)
※神神流中里中の作品は、竹渕かすみ先生に指導していただいたものです。