林桂選

2009年9月2日上毛新聞掲載


なめくじを追いかけ一日使いけり
前橋西高1年 中野 侑美
【評】幼い思い出でしょうか。ナメクジと遊ぶ一日。時間に追われるようになってみれば、ぜいたくな過ごし方でした。
炎天下父に教わる変化球
前橋西高1年 坂井 識聴(さとあき)
【評】高校野球の季節は、野球熱もあがります。お父さんとのキャッチボールの中で、変化球の握り方まで教わります。
筆箱の中に夢あり光琳忌
前橋西高1年 千木良夏希
桜桃忌マクドナルドで過ごしけり
前橋西高1年 小形 明歩
もしおれをたとえるならば青りんご
前橋西高1年 金塚 直也
風鈴が君の髪をもゆらしてる
前橋西高1年 斉藤  愛
飼い猫の少しボケたり桜桃忌
前橋西高1年 吉沢 咲輝
【評】俳句形式を「575」と考えるよりも、「57」「5」か「5」「75」の二つのかたまりで考える方がよい句ができます。そして二つの要素を組み合わせて表現するのです。立体的で、複雑な表現が可能になります。「取り合わせ」と呼ばれる方法です。掲載句では「炎天下」と「父に教わる変化球」がこの取り合わせの例になります。忌日の俳句もこの技法が発揮しやすいよい方法です。坪内稔典氏は取り合わせを学ぶ方法として、「雲の峰」(入道雲のこと)に「57」をつける例を挙げています、もちろん「75」に雲のことは書かずに、地上の物事を書くという約束で行うのです。一度挑戦してみてください。