林桂選

2009年10月14日上毛新聞掲載


月光は切なさ冷たさ抱えたり
前橋西高2年 上原 榛奈
【評】月光は寒色系の光。「切なさ冷たさ抱えたり」は、よくとらえた言葉です。もちろん、月光に思いも重ねています。
汗知らぬマネキンの目の白さかな
熊谷女子高1年 藤野 仁美
うなじから涼しさわかる散髪の午後
熊谷女子高1年 村田 美鈴
「靴下だ」いいえ実は日焼けです
熊谷女子高1年 鈴木 咲織
ひまわりが微笑んだから明日(あす)は晴れ
熊谷女子高1年 小久保美沙
ペン回し宿題わからず上達した
熊谷女子高1年 山上奈央子
太陽で私もアイスも溶けちゃうよ
熊谷女子高1年 根岸 未奈
夏祭り君の背中を探してる
熊谷女子高1年 志水 優子
夏休み天気は毎日洗たく日和
熊谷女子高1年 冨 加奈恵
【総評】俳句にとって大切なものに「切字」があります。これは短い俳句の言葉を他と区別し、独立させる大切な要素と考えられています。「や」「かな」「けり」など古い言葉を思い浮かべる人が多いと思いますが、「切る」働きがあれば、なんでもよいのです。「秋の清水急な斜面をのぼりけり」(中3)の句末の「けり」が強く切る働きであることは誰でも分かります。でも、「古池や蛙飛びこむ水の音」(芭蕉)のような句中の「や」もかかり結びのような働きをして句末を切る働きをするのだと、川本皓嗣は述べています。「水の音」んは体言止めの切れなのです。「よ」「ね」など、ジュニア俳句に現れる言葉も切字です。