林桂選

2009年12月8日上毛新聞掲載


美少年見とれる朝の初嵐
前橋西高1年 生方  茜
【評】見とれるのは「イケメン」ではなく「美少年」。日常の言葉でない分だけ、際立った存在感が感じられます。
鰯雲歌いすぎてのど痛い
前橋西高1年 今井 那緒
白秋忌登り坂ばかりの帰り道
前橋西高1年 高橋 佑典
朝食に巨峰を食べる鏡花の忌
前橋西高1年 小谷野遥花
灰色と斜めに混ぜる薄の穂
高崎北高1年 木村 春菜
最後だね秋風が運ぶ友の声
共愛学園高3年 小林 桃子

【総評】比喩(たとえ表現)の中で、人の動作に見立てるのを、特に擬人法と言います。「啄木鳥や落ち葉を急ぐ牧の木々」(水原秋桜子)では、しきりなく散る落葉のようすを「急ぐ」という人の動作にたとえて表現しています。大人の作句では使わない方がいいと指導する人も多いようですが、子どもの句では、俳句の世界を生き生き表現する効果の方が大きいと思います。単なるたとえ表現でなく、世界が生き生きと動いて見える子どもの世界観の表現にもつながっているからです。掲載句でも「赤いかおならんでいるよほうきぐさ」(小2)「イワシ雲夕焼け色に着がえてる」(小3)「ポケットでゆめみる両手寒い朝」(小3)「月の夜空からえ顔がおりてくる」(小5)などたくさん見つかるはずです。うまく活用してみてください。