鈴木伸一選

2009年12月29日上毛新聞掲載


毛糸編む母の手いつも暖かい
前橋西高1年 飯塚 奈絵
風邪をひきこだまする咳孤独かな
前橋西高1年 関口  敦

【総評】あと数日で、新しい年が始まります。みなさんにとって、お正月で一番楽しみなのは、お年玉かもしれませんね。ところで、季語にもなっている「お年玉」ですが、みなさんの中で、もともとの意味や歴史まで知って俳句を書いている人は、あまり多くはないだろうと思います。「年玉」は「年魂(としだま)」、つまり魂という意味。古くは魂をかたどった丸餅(もち)を配り、私たちの魂に力をよみがえらせて、新年を迎えるよう願ったことに由来するとも言われています。今みたいに子どもたちがお小遣いをもらえるようになったのは、そんなに古いことではないんですね。もちろん、こんなことを知らなくたって「お年玉」の俳句は作れますが、それでも、歴史を知り、季語への理解を深めた上で作られた俳句と、そうでない俳句には、やはりどこかに差が出るのではないかと思います。ジュニア俳壇では、季語が無くてもすぐれた作品は選に入りますが、だからと言って、季語を軽視してよいというものでもありません。この冬休みは、「歳時記」などを読んで、季語について学んでみるのもいいでしょう。