鈴木伸一選

2009年12月1日上毛新聞掲載


秋風のやさしい手がねほほさわる
前橋駒形小5年 狩野友里香
【評】「やさしい手」という表現がいい。心の中が、すーっとすきとおってゆくような感じのする、すてきな秋風です。
夕やけの空にうかぶ雲のオーロラ
前橋桃瀬小5年 角田 里帆
【評】夕焼けの空にうかんだ雲は、不思議なほど美しい色をしています。それを、「オーロラ」でうまくたとえました。
かきひとつ夕日の上に実をつける
伊勢崎赤堀小5年 藤生 春華
【評】木の高い所にあるカキの実が、沈みゆく夕日の上にうかんで見えるのです。秋の季節感たっぷりの、美しい俳句。
海の家夕焼け見ながら手紙書く
長野原一小5年 篠原 正子(しょうこ)
【評】手紙は、仲よしの友だちに出すのかな。美しい海の夕焼けを見ながら、心のこもった手紙が書けたことでしょう。
下校中足をくすぐる秋の風
前橋大胡東小6年 大隅 怜央
【評】さらりとした感じの秋風ですから、くすぐられても心地よいでしょうね。日常の中に季節感をとらえたのがいい。
スプーンの冷たさしみる冬の朝
中之条中2年 冨沢 仁志
【評】スプーンの冷たさに、冬の到来を実感した冨沢君。日々の生活に俳句が定着しているようで、頼もしく感じます。
テーブルで優しく香る榠の実
渋川小野上中3年 鈴木みちる
【評】「榠」は、「かりん」と読みます。その実は晩秋に黄色く熟して、作者が言う通りのやさしい芳香を放ちます。
                  <注>は「木」へんに「虘」
妙義山上毛カルタ見てる様
前橋駒形小5年 横田 大輔
おばあちゃんの家の畑は秋祭り
前橋山王小5年 落合 鈴音(すずね)
秋の夜もうオリオンざがみえてきた
前橋粕川小5年 小暮  翔
いねをかる祖父母のそばでいなごとり
高崎佐野小5年 斎藤 瑞穂
かきの木は空のてっぺんめざしてる
伊勢崎赤堀小5年 見供南望子
秋の空ゆっくり流れるうろこ雲
前橋大室小5年 福島菜々子
どんぐりがバンジージャンプ急落下
前橋大室小5年 神沢 友希
ふんわりと足元近くきくの花
前橋大室小6年 長島  南
秋空へみんなで最後のマーチング
前橋大室小6年 萩原木の香
冬がくれば道具がなくても遊べるな
片品武尊根小6年 三浦 怜奈
日向ぼっこ窓辺に猫を呼びよせる
前橋七中1年 栗原 有加
新人戦悔しさが増す秋の雨
中之条中2年 加辺 一馬
霜柱潰していたら二時間目
中之条中2年 木暮 峻介
裏山の木々も夕日と同色に
渋川小野上中2年 朝比奈美穂
秋風や去年の思い飛ばしてく
渋川小野上中3年 小野恵里佳
息白く時は速度を増すばかり
前橋木瀬中3年 柿沼  光