林桂選

2010年1月12日上毛新聞掲載


青い空止まっているよな夏の午後
高崎高3年 美細津吉泰
【評】雲一つない青空。まるで時が止まっているかのように動きが感じられないのです。そし落ちてゆくような深さ。


【総評】俳句は定型詩ですから、言葉の意味だけでなく、言葉の響きも大切です。「韻いん」も、言葉の響きを美しくする表現方法の一つです。言葉の最初の音で韻を踏む「頭とういん韻」と最後で踏む「脚きゃくいん韻」がありますが、日本語の定型詩では「頭韻」が有効です。「鶺せきれい鴒あそぶ/吾あづま妻の/秋あきの/朝あさこ漕ぎよ」(高柳重信)(/は改行を示す)は、1行目の「あそぶ」の「A音」を、2、3、4行目の頭韻として使って、言葉のリズムを生んでいます。高柳は究極の韻いんりつ律法として、尻取り俳句も作っています。これは脚と頭で韻を踏むことになるからです。「吹ふ雪ぶき/如きさらぎ月/義ぎてい弟・毬いがくり栗/倫りんりがく理学」(高柳重信)。言葉の終わりの音に、次の言葉の最初の音が重なってリズムを作っています。