| 鈴木伸一選 |
2010年2月9日上毛新聞掲載
| 紅椿不意に口突く恋しき名 | |
| 高崎北高1年 高倉 慎矢 | |
【総評】たとえば、みなさんがどこかへ旅行するために準備をしているとします。そのとき、大きな旅行かばんがあれば、さまざまなものが入りますから、着がえや洗面道具といった必要なものだけでなく、場合によっては必要のないものまでつめ込んでしまうかもしれません。ところが、小さなかばんしかなかったとしたら、いろいろと知恵をしぼって、本当に必要なものだけを選び出さなければなりませんね。実は、たった十七字しかない俳句も、この小さなかばんと同じで、言葉をあれもこれもとつめ込むことはできません。つまり、たくさんの言葉を使って細かく説明することは、もともと無理というわけです。そこで、自分が本当に伝えたいことだけをぬき出し、限られた数の言葉でずばりと表現することが大事になってきます。これが、これまでにも何度かお話ししてきた「説明をはぶく」ということなのです。自分の気持ちをずばりとあらわす言葉を選び出すには、それなりの努力をしなければなりませんが、一方で、そういう言葉にめぐり合ったときの喜びは、何ものにも代えがたいと思います。 | |