林桂選

2010年3月2日上毛新聞掲載


遠き山飽き飽きとする山木かな
高崎北高1年 高倉 慎矢
【評】「飽き飽きとする」は、同じ山に向かって一生を過ごす山の木に思いを重ねての言葉。日常の閉塞(へいそく)感の投影?         
寒空に悪態ついて登下校
前橋南高2年 牧野 大成
【評】雪か雨が降っている冬の空。思わず空の悪口の一つも言わないでは帰れない寒さ。「悪態ついて」が面白い。
君が言う未知なる明日は春の中
前橋南高2年 小茂田結菜
流星群見えない星まで見えてくる
前橋女高2年 猪爪(いのつめ)千帆(ちほ)


【総評】「練習中赤ぎ山から風花が」(小5)の句を読んで、何の練習を想像するでしょうか。風花の舞う校庭でする練習です。サッカーや野球、陸上、縄跳びなど運動の練習を想像する人が多いことでしょう。しかし、作者はマーチングの練習を考えて書いているようです。なぜ分かったかというと、イラストが添えてあったからです。作者も、読む人が何の練習か分からないだろうと不安になって書き添えたものと思います。これがイラストという工夫でなく、言葉の工夫でできるともっとよい句になるはずです。たとえば、「マーチング赤ぎ山から風花が」としてみましょう。しかし、これでは練習か大会かが分からなくなってしまいそうです。でも風花が舞う中です。練習と言わなくても、読者は大会ではなく練習をイメージすると思います。少しでも、具体的に書く努力をすることが、読者の正確なイメージを広げることにつながります。