林桂選

2010年3月30日上毛新聞掲載


雪が降るそれでも僕はカヌーこぐ
前橋南高2年 大橋龍之介
【評】カヌー部の活動。夏のスポーツのイメージのカヌーですが、当然雪の降る冬もトレーニングをしているのです。


【総評】「連作俳句」というのがあります。テーマを決めて複数の作品を構成するものです。昭和初期盛んに試みられ、大きな成果を上あげましたが、一句の完成度などクリアするべき問題も多く、広く一般に定着しませんでした。佐藤千栄さん(渋川小野上中3年)の2枚6句の作品は、その「連作俳句」になっていました。紹介しましょう。「雪合戦敵は社会の先生だ」「1人だけ制服参加の雪合戦」「雪だるま前ほど上手く作れない」「受験前名札買いかえる友がいる」「願書書く判子を押す手がふるえてる」「受験前いきなり坊主になる友よ」。受験期、そして卒業前の揺れる心を描いて優れています。おしらく受験のためだけに名札を新調する友、不安な思いを断ち切るために坊主になる友。残り少ない中学校生活を惜しむかのような雪合戦。精いっぱいの姿が胸に染みます。「連作俳句」は、表現力を獲得した人にはぜひチャレンジしてほしいものです。