鈴木伸一選

2010年4月20日上毛新聞掲載


春を待ち中学最後の俳句書く
渋川青翠高1年 野村 美咲
【評】3年間親しんできた俳句も、中学生として書くのは、これで最後。地道に続けてきたことが、何よりの勲章です。
空見上げああもう春かと息をつく
明和県央高1年 田部 竜憧(りゅうどう)
花吹雪友達の顔が見えかくれ
中央中等教育学校5年 諸田  遥
【総評】みなさんの中には、「広辞苑」という分厚い辞書を見たことがある人も多いでしょう。あの中には、約24万の言葉が集録されているそうですが、さて、その内の一体いくつの言葉を、私たちは知っているのでしょうか。私はジュニア俳壇をはじめとして文章を書く機会が多いので、日ごろから言葉には強い関心を持っていますが、それでも自分の語彙(ごい)の貧しさを痛感することがたびたびあります。ジュニア俳壇の選評でも、私が感じたことを、みなさんにきちんと伝えられているのか、しょっちゅう不安になります。いずれにせよ、言葉によって自分の思いを人に伝えるというのは、想像以上に難しいことなんですね。それでも、私たちは自分の思いを何とかして人に伝えたいと感じるときが、かならずあります。そのためにも、やはりたくさんの言葉を覚えておきたいものです。ジュニアのみなさんは年齢から言っても、知らない言葉がいっぱいあって当然です。でも、それは裏を返せば、未知の言葉に出会う喜びを感じる機会が、これからたくさん用意されているということでもあるのです。
(学校・学年は投稿時のものです。)