林桂選

2010年4月13日上毛新聞掲載


ひなまつり今年は紙のひな人形
赤城養護小児医療分小6年 中曽根咲都(さと)
【評】入院してのひな祭り。折り紙でひな人形を作り飾ったのです。「今年は」に寂しさと来年への思いがあります。
曇り空桜の木だって猫背ぎみ
前橋大胡東小6年 諏訪 夏海
【評】曇った低い空。桜の木も背を伸ばせずに猫背になって縮んでいるように見えます。「猫背」のたとえが楽しい。
雪だおれ竹のにおいがぷんぷんと
渋川小野上中1年 佐藤 真由
【評】雪折れの竹がにおっているのです。感覚のいい句。「斧入れて香におどろくや冬木立」(蕪村)を思い出します。
卒業式あんなに姉が泣くなんて
渋川小野上中1年 杉山 大樹(ひろき)
【評】卒業生の姉。普段の姉のようすからは想像もできないほど泣いています。驚くとともに感動を共有している作者。
先輩と一緒に帰る一週間
中之条中2年 萩原 悠太
【評】卒業前の一週間。お互いに別れを意識しながらの下校。大切な先輩との時間という思いを「一週間」に託します。
金色の五角鉛筆入試用
渋川小野上中3年 佐藤 千栄
【評】「五角」に「合格」を掛けているのでしょう。だから入試用なのです。「金色」にも特別な思いがこもります。
見上げると桜の木には子どもいる
前橋駒形小5年 新井 駿希
春の声新しいぼくをよびよせる
前橋粕川小5年 諸星 雄大
彫刻刀木のにおいがたちこめる
前橋粕川小5年 長沢 夏帆
送る会手紙のようふくリコーダー
前橋大胡小5年 本川 菜月
卒業式みんなの制服光ってる
高崎馬庭小6年 相馬 裕太
春を呼ぶ声がどこかでひびいている
片品武尊根小6年 三浦 怜奈
卒業だ少しさみしげなランドセル
赤城養護小児医療分小6年 清水みゅう
筆箱に不安が詰まるテスト前
渋川小野上中2年 宮  康太
歌声が響けばいずれ桜散る
中之条中2年 関  直人
木々達が卒業いわって枝ゆする
中之条中2年 斎藤 杏佳
先輩の大きな背中が光りだす
中之条中2年 黒崎 幸祐
太陽が受験の様子をのぞきこむ
中之条中2年 町田 羽純
春のにおい卒業式にまた近づく
前橋広瀬中3年 奈良 翔子
新しい日ざしがきたよ春の朝
渋川小野上中3年 杉山 詩穂
掲示物誤字も愛しい卒業だ
渋川小野上中3年 佐藤 千栄
友達の消しゴム短く春よ来い
渋川小野上中3年 鈴木みちる
春風が優しく僕らを送り出す
沼田中3年 平良(ひらよし) 彩花