| 鈴木伸一選 |
2010年6月1日上毛新聞掲載
| 手紙書く過ぎてしまった母の日へ | |
| 中央中等教育学校5年 諸田 遥 | |
| 【評】日々の忙しさに取り紛れ、感謝の言葉を言いそびれたのです。でも、作者の思いはちゃんとお母さんに届くはず。 【総評】先日、NHKの「日曜美術館」という番組で、2000年に105歳で亡くなった日本画家、小倉遊亀が紹介されていました。番組にはお孫さんが出演して思い出を語っておられましたが、その中にたいへん印象的な話がありました。それは、晩年の遊亀がお孫さんと一緒に自宅の庭に出て、「木々の緑には何色あるか数えてみましょう」とよく言っていたというエピソードでした。この時季、木々の新緑が目に鮮やかですが、ひと口に「緑」と言っても、実は単純な一色ではないんですね。茂った一枚一枚の葉のすべてが、少しずつ違う緑色をしていると考えても、あながち誤りとは言えないでしょう。今週の入選句に「百色のみどりがかこむ春の山」がありますが、小倉遊亀の話と重ね合わせて読むこともできそうですね。何にせよ、みなさんには木々の緑だけでなく、さまざまなものをしっかりと観察してほしいと思います。俳句に大切な「発見」も、自分の身の回りをよく観察することから始まるのですから。 | |