鈴木伸一選

2010年6月1日上毛新聞掲載


初夏の夜ふわりとうかぶねこのかげ
前橋大胡小5年 吉田 朱里
【評】「ふわりとうかぶ」がいかにも猫らしい。「不思議の国のアリス」のチェシャ猫を思いうかべても楽しいですね。
かたくりの里に光がともったよ
長野原一小6年 金子 且行(かつゆき)
【評】カタクリの花の内側からにじみ出てくる、いのちの淡い光のようなものを感じます。静かで、美しい俳句です。
春の子は木の上でいまねています
草津小6年 吉田 拓史
【評】「春の子」は妖精みたいな感じかな。春のおとずれが遅いのは、春の子がまだ起きないからだというのでしょう。
こいのぼり泳ぎ疲れてただゆれる
中之条中1年 石橋 卓也
【評】こいのぼりの俳句は、風にはためく爽快(そうかい)な光景を詠んだものが大多数。その中にあって、この句は異色作です。
桜散り空に舞いちる天使たち
中之条中3年 海馬沢(かいばざわ)桂
【評】折からの風に、一斉に散ってゆく桜の花。それを無数の天使たちの乱舞ととらえた作者の感性は、なかなか鋭い。
クマバチがブンブン守るふじの花
前橋月田小5年 鈴木 智大
ハンモックゆらゆらゆれる春の風
高崎車郷小5年 西山 花奈
※高崎車郷小の作品は、島方恵理先生に指導していただいたものです。
みどりの日心の中まで緑色
前橋駒形小6年 小林 奎介(けいすけ)
真っ青な天までとどけ庭のたけの子
前橋桂萱小6年 上原 颯(はやて)
鹿二頭風より速くかけてゆく
前橋白川小6年 吉野敬太郎
※前橋白川小の作品は、大崎靖史先生に指導していただいたものです。
チューリップひらきすぎたらなおらない
高崎新高尾小6年 戸塚  桂
お父さん夏空見あげ探しもの
長野原一小6年 篠原 正子(しょうこ)
桜さきふと足とめて時すぎる
草津小6年 黒岩小真貴
朝おきてカーテンあけると花がさき
草津小6年 桑原 克佳
種まいたぼくとにている芽が出てた
高崎中尾中1年 鈴木 滉平
春の花どの花もみな輝いている
高崎中尾中1年 福地 胡桃
部活後の春風しみる帰り道
沼田中1年 佐藤 一弥(かずや)
中学の窓からのぞく春げしき
中之条中1年 関  友斗
たけ山を背中にせおうこいのぼり
中之条中1年 宮内 明乃
春の風歌う私に吹いてくる
中之条中1年 綿貫あき穂
春の日にいつもおだやか仏様
渋川小野上中1年 穴沢 佳子(かこ)
国道にバイク連なり春がきた
渋川小野上中3年 野村 聡太