鈴木伸一選

2010年7月13日上毛新聞掲載


雷は音より光が早とちり
前橋月田小5年 下平そよか
【評】雷雲がまだ遠いと、ぴかっと光ったあとに、少し間を置いて雷鳴が聞こえます。なるほど、早とちりという感じ。
雨の中おはやし聞こえる山車祭り
渋川南小5年 春日 茉由
【評】お祭りの熱気が伝わってきます。山車(だし)をひく人たちのほてった体には、雨もむしろ気持ちがいいくらいでしょう。
友だちと暑さも一緒に歩いてる
前橋大胡小6年 阿久沢佳菜
【評】じりじりと照りつける太陽。何だか暑さが自分たちにくっついて歩いているかのように思える、夏のある日です。
くりの花車の中にもにおってる
前橋大胡小6年 前島 章吾
【評】梅雨どきに咲くクリの花には、独特の甘いにおいがあります。車の窓を開けると、すぐにそれと分かるほどです。
ぼくの中にお花畑が光を浴びて
伊勢崎宮郷二小6年 内田 朋秀
【評】実際の光景ではなく、心の中の「お花畑」です。内田君が美しい心の持ち主だということが、自然に分かります。
麦刈った父の汗臭い肩をもむ
藤岡北中2年 宮下 自由
【評】労働の尊さや家族の温かさなどが、とても正直に詠まれています。こういう句に出合うと、本当にほっとします。
口笛を空に聞かせる帰り道
渋川赤城北中2年 堤  拓摩
【評】独りの帰り道でしょうか。ちょっと心細く、それゆえ人恋しくもあるといった心持ちが、何となく感じられます。
夏になるあたまのてっぺんあつくなる
前橋下川渕小5年 馬場 啓太
えんそくだバスのなぞなぞむずかしい
長野原一小5年 清水龍太郎
おまつりに使うお金をためている
前橋大胡小5年 吉原 瑞季
雨あがり幼ち園のバス通ってく
前橋大胡小6年 小林亜理紗
走りゆきゴールの先は夏の空
前橋大胡小6年 斎藤那央紀
青い空大仏まではあと少し
前橋永明小6年 石原 有貴
夏の日は猫がなんだかつかれてる
前橋粕川小6年 竹内 裕貴
夏がきためばえたいのちもにぎやかに
高崎国府小6年 小鮒 元汰
つゆがくる田んぼの水がいっぱいだ
高崎馬庭小6年 三友 拓哉
耳すましうぐいすの声とお茶を飲む
渋川南小6年 桑原 莉子
黄緑のビー玉いっぱいトマトかな
渋川赤城北中2年 狩野 静香
通り抜け緑を揺らす初夏の風
みどり東中2年 神山 侑果
みな叫ぶプールサイドに夏の影
渋川小野上中3年 野村 聡太
階段を風と一緒に駆ける夏
渋川小野上中3年 宮  康太