鈴木伸一選

2010年8月10日上毛新聞掲載


夏本番野球もいよいよ新人戦
前橋荒牧小5年 下川 維詩(まさし)
【評】「いよいよ」という一語に、下川君の並々ならぬ決意のほどがうかがえるようです。季節感も、よく出ています。
暑い日は祖父のスイカがおいしいな
前橋桂萱小6年 角田 奏人
【評】おじいさんの作ったスイカを味わえる角田君がうらやましい。お金では買えないおいしさだったに違いないもの。
夏の海家族みんなで日焼けした
前橋芳賀小6年 石川 奈波
【評】「家族みんなで」は当たり前のように感じるかもしれないけど、本当は、何よりも幸せなことなのだと思います。
小学校最後の夏はバスケット
前橋大胡小6年 前島 章吾
【評】前島君のように、全力で打ちこめるものを持っているのは、本当にすばらしいこと。充実した夏にしてください。
浴衣の子街を歩いて夏運ぶ
群大附属小6年 飛知和志帆
【評】夏の季語であることからも分かる通り、「浴衣」は本当に季節感豊かな衣類です。「夏運ぶ」という発想もいい。
あさとよるバットをふって終わる夏
高崎里見小6年 白井 和樹
【評】バットの素振りと共に終わった夏。でも、こうした地道な努力の積み重ねが、これから先、必ず生きてくるはず。
空晴れて川面にうつる鮎のかげ
館林一小6年 正見 大志
【評】夏の代表的な淡水魚であるアユは、姿もスマートで、泳ぐ様子も涼しそう。情景描写がしっかりとした俳句です。
夏の空雲がヨットの形だね
高崎中尾中1年 三浦  脩
【評】夏の青空を海に見立て、そこに浮かぶ白い雲を「ヨット」と表現しました。明るく、軽やかな口調が好印象です。
東塔と西塔に舞う青葉かな
太田旭中3年 加藤 真理
【評】東西両塔のある寺というと、奈良の薬師寺がまず思い浮かびます。パターン化した修学旅行俳句でない点を評価。
せんぷうき声がゆれてるつゆの夜
前橋山王小5年 小鮒ひと美
みすずたきはるなじんじゃはすずしいな
前橋荒牧小5年 須藤  隆
教室の風鈴気になる三十個
吉岡明治小5年 金井沙弥華
足元で夏の行進あり軍団
前橋大胡小5年 馬場日菜子
弟がす足で登ったさるすべり
前橋大胡小6年 前原 雅哉
プールの日太陽は赤空は青
前橋永明小6年 都丸 実咲
飛び散った花火の火の粉星のよう
前橋永明小6年 湯沢 周平
大きさが兄をこしたぼくのひまわり
前橋桂萱小6年 三輪 祐也
梅雨になり大仏もあせかいている
前橋桃木小6年 新井麻悠子
夏きざす赤城のキャンプ友と行く
群大附属小6年 太田 開斗
雨上がり虹とカメラが光ってる
群大附属小6年 野中 京香
えんぴつがきれいにならぶ一年生
高崎佐野小6年 八木沢 司
脳みそが少し休まる夏休み
伊勢崎北二小6年 松本芽以梨(めいり)
風ふいてじゃがいもの花ゆれている
下仁田小6年 土谷 朋世
下仁田小の作品は、田中尚子先生に指導していただいたものです。
気が付けば一つふえてたむしさされ
中之条名久田小6年 矢代 羽純
ふうりんの代わりになってる熊のすず
長野原一小6年 篠原 正子(しょうこ)
つゆだとね夢の中まで雨ふりだ
草津小6年 黒岩小真貴
祖母が見るニュースが語る終戦日を
高崎中尾中1年 竹渕 優衣
向日葵を眺めていたら日が沈む
高崎中尾中1年 森山 虹太
梅雨の朝重みを感じるランドセル
中之条中1年 今泉しほり
夏風と雲が仲良く旅してる
中之条中1年 広瀬 文香
日本の先行き暗い水溜り
中之条中3年 木暮 峻介
下をむくチームの背中夏終わる
中之条中3年 武渕 晴香
青空も夜では変わる祭りの音
太田旭中2年 吉田 脩人
きらきらと光る水面(みなも)に蝉の声
太田旭中3年 下山 悠里
後輩に部活たくして終わる夏
前橋南橘中3年 高橋 瑞穂