林桂選

2010年9月28日上毛新聞掲載


雪くまの色とりどりの夏来たる
熊谷女子高1年 根岸 香奈
【評】「雪くま」は、熊谷地域限定のかき氷の名前。暑さ日本一を争う熊谷だからこその待ち遠しい味なのでしょう。
カブトムシ今じゃ怖くて触れない
熊谷女子高1年 大沢 玲愛
【評】小さいころは何でもなかったカブトムシ。気がつけば触れなくなっています。成長して失う小さな勇気です。
五時限目ノートはミミズの養殖場
熊谷女子高1年 島田 利奈
【評】眠い授業に文字がミミズのようになって意味不明。ノートを「養殖場」の見立てるのには思わず笑い、感心。
サザン聴く母の気持ちは15さい
熊谷女子高1年 原口野恵瑠
【評】サザンオールスターズを聴くと、最初に聴いた15歳のころに戻るお母さん。自分と同齢の母を垣間見る作者。
制服とジャージを着回す夏休み
熊谷女子高1年 今井 彩加
【評】私服を着る暇もなく、学校に通い、補習や部活で夏休みを過ごした作者。思えばジャージと制服だけの夏休み。
熱い髪お前はいいなあねぎ坊主
熊谷女子高1年 武田 奈緒
【評】太陽に焼かれて熱くなっている髪。白い帽子を被ってどこか涼しそうな葱坊主(ねぎぼうず)までうらやましくなる猛暑の夏。
夏休みモグラになると決めました
熊谷女子高1年 宮入奈津紀
【評】決めてなれる訳でもありませんが、地下生活が涼しくてうらやましく思われる猛暑。逃げられるならどこへでも。
海へ行き泳がず海藻集めてる
熊谷女子高1年 吉原有紀乃
【評】海水浴なのに結局泳がずじまい。大概は貝殻拾いに興じるところ。海藻収集に作者の個性がにじんでいます。
一分間テレビの中の原爆碑
熊谷女子高1年 槙 ゆりえ
花開く朝顔十人十色かな
熊谷女子高1年 福島 里奈
クーラーが壊れてみんなも壊れちゃう
熊谷女子高1年 定岡 志織
ししおどし夏のしずけさしみわたる
熊谷女子高1年 山本 祐実
背の高い兄ちゃん私の広い空
熊谷女子高1年 松本 美咲
水泳部塩素の匂いがくせになる
熊谷女子高1年 小須田愛実
天仰ぎ肌に暑さを焼きつける
熊谷女子高1年 山川 真季
風鈴の響きの中にこの平和
熊谷女子高1年 大沢 美沙
自転車をこいで暑さから逃げたいよ
熊谷女子高1年 岡部友美江
夏の午後李白と語らう詩仙の間
熊谷女子高1年 渡辺 千春
暑いけど部活だけはやる気あり
熊谷女子高2年 片井 友貴