鈴木伸一選

2010年10月5日上毛新聞掲載


夕焼けが棚田を赤くそめている
前橋下川渕小5年 金子 蓮南(れな)
【評】棚田は傾斜地に作られていますから、夕日が全面に当たり、赤く染まっているのでしょう。印象深い光景ですね。
青空にわずかにすずめのかげがある
前橋大胡小5年 前田 明洋(あけみ)
【評】じっと目をこらして見つめると、広大な青空の中に、小さなスズメの影が浮かんでいます。よく発見しましたね。
すずしいなつりをしてると秋の風
前橋大胡小5年 宮  崇允
【評】自分の体験を通してとらえた季節感ですから、説得力があります。釣りは、自然との対話という感じもしますね。
運動会汗がはじける青い空
長野原一小5年 篠原柚里奈
【評】勝ってうれしい。負けてくやしい。そんな作品が多い中、この句は発想が違います。すがすがしさがいいですね。
セミの声岩にはじけてなりひびく
伊勢崎赤堀東小6年 岡野  郁
【評】激しいセミの声が、岩にはじけ散るようなのです。芭蕉の「閑(しずか)さや岩にしみ入(いる)蝉の声」と逆の発想がおもしろい。
墓参り思い出語る鳥の声
高崎中尾中1年 上和田愛香
【評】鳥たちの声が、故人の思い出を語っているかのように聞こえるのです。そこには、作者の心が投影されています。
秋風が空を包んで光り出す
中之条中1年 後藤 諒成
【評】透明感のある空を吹く秋の風。ベールというか薄紙というか、とにかく繊細な感触で包まれた淡い光が見えます。
広島は群馬とは違うせみの声
高崎高南中3年 大岩 由季
【評】原爆の爆心地に近い、広島平和記念公園。降るような蝉時雨に、作者はあらためて平和の大切さを思ったのです。
※高崎高南中の作品は、萩原幸則先生に指導していただいたものです。
運動会けやきの下はおおにぎわい
前橋大胡小5年 豊田 寧音
ゴール前ひたいに光るあせ一つ
渋川金島小5年 木暮陽菜子
※渋川金島小の作品は、青木敏子先生に指導していただいたものです。
きりの後顔をのぞかす至仏山
片品武尊根小5年 三浦 紗加(すずか)
十五夜の一日前の白い月
前橋大胡小6年 小林亜理紗
秋の夜月とわたしでかくれんぼ
前橋大胡小6年 林 菜々夏
エアコンをまだまだつける長い夏
前橋大胡東小6年 鶴渕 遥香
ひまわりよ大きくなって空に行け
高崎金古南小6年 福崎 朱里
背泳ぎで見えたあの空きれいだな
藤岡神流小6年 太田 裕也
夏休み切なく終わるセミの声
藤岡神流小6年 関根  翼
暗くてもみんな明るく盆踊り
みなかみ水上小6年 不破  梢
いそがなきゃ一羽おくれて渡り鳥
高崎中尾中1年 塚越まなみ
友だちが秋の七草覚えてる
渋川赤城北中1年 羽田 美里
秋雨や空を舞い飛び落ちて行く
渋川赤城南中1年 狩野 有紀
秋の朝ジャージのすそがはためいて
前橋七中2年 栗原 有加
夏休み感想文は後回し
高崎高南中3年 原  悠太
先生の眼鏡に映る秋の空
渋川小野上中3年 茂木真由美
原爆のおそろしさ知る夏休み
渋川赤城北中3年 茂木 涼美
ねころんでそのまま動かぬ夏の午後
中之条中3年 遠藤 史也
尾瀬学校緑が広がる一本道
中之条中3年 高橋あかり
しらかばに光が映り秋運ぶ
中之条中3年 高平 翔大