鈴木伸一選

2010年12月7日上毛新聞掲載


ランドセル大きく見える寒い日は
前橋下川渕小5年 持田麻夢奈(あんな)
【評】寒いと無意識のうちに体が縮(ちぢ)こまり、その分、背中のランドセルが大きく見えるのです。なるほど、と思います。
新米のあまさひろがる収かく祭
中之条名久田小5年 小渕 真暉(まさき)
【評】「新米のあまさ」に、すごく実感があります。自分たちが育てたお米であれば、なおさらおいしいことでしょう。
かぜひくと空が遠くに見えてくる
前橋大胡小6年 阿久沢佳菜
【評】空が遠いのは、布団(ふとん)などに横になるからではなく、ふと感じる心細さのせいで、そう見えるということでしょう。
ギターの音(ね)上手じゃないが風にのる
前橋大胡小6年 須藤 風花
【評】たとえ上手(じょうず)にひけなくとも、ギターの音が気持ちよく風に乗って響くなら、それで十分だという感じもしますね。
冬近し打撃不調の兆しかな
渋川小野上中2年 野村 翔人
【評】打撃不振に陥る前兆を、ふと感じた作者。その心の中にも、冬到来を告げる寒々とした風が吹き始めたようです。
夕焼けに影つれ歩く帰り道
中之条中3年 新井 紳吾
【評】黒々と地に落ちた自分の影と対話しながらの帰り道。影との対話は、すなわち自己内面との対話に他なりません。
青空に柿がぽつんとういている
前橋大室小5年 斎藤 一樹
秋晴れにきれいな音楽まいあがる
前橋大室小5年 三田 朋佳
文化の日弟つれてサッカーだ
前橋大胡小5年 山下 健太
収穫祭五人で作るちくぜん煮
中之条名久田小5年 福原 広大
秋の夜しずかな町に風がふく
みなかみ幸知小5年 田村 大輝
今見れば桜の木の下かげがない
前橋大室小6年 神沢 友希
校舎の絵秋空の下描いている
前橋大室小6年 樋口 希歩(きほ)
冬の空少しふくらむ飛行機雲
前橋大胡小6年 前島 章吾
持久走雲と一緒に走ってる
前橋大胡東小6年 守谷 優那
鬼ごっこしてたら落ち葉も仲間だよ
伊勢崎赤堀東小6年 荻原 正法
秋の空雲が私を追いかける
長野原一小6年 市村 桃子
落葉とは色とりどりの結晶だ
みなかみ水上小6年 不破  梢
ばあちゃん家行くと必ず餅(もち)が出る
高崎中尾中1年 武井 一樹
まだ起きぬ母と私とふきのとう
吉岡中1年 滝沢 樹(いつき)
木の葉散る上野の空をひらひらと
渋川金島中2年 浅田 昌哉
秋風が通りすがりの道しるべ
中之条中3年 石川  翼
冬の朝吐く息にさえ影がある
中之条中3年 桜井満依子
さっきまでつないでいた手も冷えてくる
中之条中3年 宮崎 菜奈