林桂選

2010年12月28日上毛新聞掲載


風邪ひいてリンゴで感じる兄の愛
前橋下川渕小5年 疋田 詩歩
【評】風邪の作者に、リンゴをむいてくれたお兄さん。普段にはないことなのでしょう。だからこそ感じる愛なのです。
秋風もコースの下見にむかってる
前橋大胡小6年 多賀谷彩美
【評】コースはマラソンのコースでしょう。風に吹かれながらの下見。風も一緒に下見をしてくれているようです。
葉が落ちてからすの巣まで丸見えだ
前橋大胡小6年 新井 萌香
【評】葉を落とした身近な街路樹に、鳥の巣を見つけて驚くことがあります。鳥たちの巧みな生活術が分かる冬です。
一人だけ銀杏踏んで笑われる
高崎中尾中1年 鈴木 滉平
【評】みなは注意深くイチョウの下を通ったのに、考え事をしていてか一人銀杏を踏んだ作者。笑い声で気がつきます。
赤とんぼ風に押されてやってくる
吉岡中1年 滝沢  樹
【評】「風に押されて」が巧みです。飛んでいるのか、ただ風に乗っているのか分からないトンボの飛翔(ひしょう)術です。
ホッカイロ灰色の天井に投げてみる
前橋七中2年 栗原 有加
【評】「みる」は目的のない意識の動作。退屈で満たされない思いからの行為でしょう。天井が「灰色」と意識されます。
木枯の独唱響く暗い空
高崎高松中3年 井田 裕貴
【評】木枯らしの鳴らす音を虎落笛(もがりぶえ)と言います。季語は笛にたとえていますが、作者は独唱にたとえました。
ブランコにのるとケヤキがちかくなる
前橋大胡小5年 戸谷 拓真
まどをみるねこのうしろがしっぽふる
前橋大胡小5年 鈴木 洸稀(こうき)
風がふき足に落ち葉があたってる
前橋大胡小5年 前田 明洋(あけみ)
文化祭空手のえんぶに人が来る
前橋下川渕小5年 水出 美咲
秋の風私の家を通ったよ
高崎城山小5年 大石 麻衣
なつやすみけん君さそったプールいこ
安中九十九小5年 佐藤 嵩純(たかずみ)
喜びが観察するたび伸びる米
中之条名久田小5年 吉田 輝(ひかる)
あさま山真っ白そまる十二月
中之条名久田小5年 原沢 美青(みお)
妹と音読しあう競争だ
前橋大胡小6年 栗原 蒼生(あおい)
夕方にすすきの長い薄い影
前橋大胡小6年 関口 晃太
天然のイルミネーション星の光
前橋大胡小6年 小林亜理紗
ひまわりとあそんでいたらひがくれた
前橋粕川小6年 新井みやび
でんちゅうがひゅうとないた帰り道
高崎城山小6年 茂木美奈実
鉄ぼうで遊んでいたら手が凍る
伊勢崎赤堀東小6年 撹上 萌香
秋たちは風にゆられてやってくる
草津小6年 山本 綾香
残菊が野原に一つ真昼の月
高崎中尾中1年 反町 桃子
妹の理科に付き合う星月夜
高崎中尾中1年 竹渕 優衣
風よけに父の後ろを歩いてる
高崎中尾中1年 土屋みなみ
小学校落ち葉で遊んだ昼休み
高崎中尾中1年 田村 耀也
夕焼けが机の辞書を照らしだす
渋川赤城北中2年 岩崎 貴之
夏祭り野口英世もいなくなる
神流中里中3年 加藤 史也