鈴木伸一選

2011年1月11日上毛新聞掲載


雨がふる冬も一緒についてくる
前橋大胡小5年 三浦 颯太
【評】雨の冷たさに、冬が来たことを実感したのです。それを「一緒についてくる」とユーモラスに書いたのがいい。
見上げればひそひそ話の冬の星
高崎金古南小5年 山寺 真奈
【評】星々のまたたきは、なるほど会話をしているようにも見えます。「ひそひそ話」が、静かな冬の夜らしいですね。
雪の日は耳をすませば冬の歌
渋川中郷小5年 福島  心
【評】雪が降ると、あまり音がしません。でも、じっと耳をすませば、自然が奏でる歌を聞き取ることができるのです。
雪だるま今年は身長何センチ
吉岡明治小5年 武藤あいり
【評】この冬はどれくらいの大きさの雪だるまを作ることができるか、雪が降るのを心待ちにしている武藤さんです。
父のいる新がたはもう雪野原
前橋桂萱小6年 女屋 優花
【評】お父さんは仕事で単身赴任でしょうか。「もう」という一語から、お父さんへの気づかいがよく伝わってきます。
じょ夜のかねよろこびだけを数えてる
伊勢崎北二小6年 広瀬 るり
【評】「チューリップ喜びだけを持つてゐる」(細見綾子)という句もあります。喜びを、みんなで分け合いましょう。
冬の朝白くにごった心かな
中之条中1年 片貝 璃子
【評】「白くにごった」は、まだ完全には目が覚めず、薄もやがかかったような、すっきりしない気分の比喩(ひゆ)でしょう。
嵩山の小さな光霜の朝
中之条中3年 狩野 未希
【評】中之条の嵩山(たけやま)は古来、死者の霊が集まる霊山とされています。「小さな光」にも、どこか神々しさがありますね。
こたつではねこの兵士に足おされ
片品小5年 深見 千穂
雪ふるかかまきりのたまごじっとみる
前橋大胡小5年 登丸 優希
師走だな先生ほんとに走ってた
前橋大胡小6年 新井 健人
しもがおり田んぼのあぜも冬らしく
前橋広瀬小6年 圓崎 知里
来年もおばあちゃんちのこたつでみかん
前橋広瀬小6年 大屋 夏波
どこ見ても星でいっぱい冬の空
伊勢崎北二小6年 北爪 千尋
凍ってるガラスのような水たまり
伊勢崎赤堀東小6年 北爪 悠馬
雪が降り知らない世界に変えていく
伊勢崎赤堀東小6年 木村 みか
紅葉が終わったら木も冬休み
伊勢崎赤堀東小6年 斉藤 京介
白くなり輝きが増す赤城山
伊勢崎赤堀東小6年 高橋 珠里
雲達も走っていそぐ師走かな
中之条中1年 田村 大地
水たまり虚ろに映した冬景色
渋川赤城北中2年 大畠 隆晶
扇風機凍ったように眠ってる
渋川赤城北中2年 角田 理沙
ねむくなる小春日和の俳句かな
渋川赤城北中2年 茂木まどか
おばあちゃんとこたつに入りひと眠り
吉岡中2年 冨岡みずき
筆箱に希望をつめ込む受験生
渋川小野上中3年 宮  康太
寒桜自由気ままに咲いてみる
中之条中3年 新井 遥菜
消しかすがたまっていった冷えた部屋
中之条中3年 上原 真衣
大空に輝いている白い息
中之条中3年 山崎 剛志