鈴木伸一選

2011年3月1日上毛新聞掲載


ぼたん雪犬の頭にふっている
前橋大胡小5年 馬場日菜子
【評】寒いので、犬は小屋から頭だけ出しているのでしょう。ゆっくりとふってくる大きなぼたん雪が、とても印象的。
冬だけど春にバトンをわたしとこう
高崎箕輪小5年 藤田 早妃
【評】俳句では季節を先取りして書くことがよくあります。ひと足早く自分の心に春が来れば、少し得した気もします。
雪にある犬の足あと大中小
前橋大胡小6年 三浦 健人
【評】どんなことでもよく観察すると、思いがけない発見があります。この句では、「大中小」がそれに該当します。
テレビ消し宿題開いてこたつ強
渋川長尾小6年 安達  嵐
【評】宿題に取りかかるまでの動作を、順を追って書きました。「こたつ強」に、寒い日の実感がこもっていますね。
春の空私の未来を語ってる
高崎中尾中1年 金子 日和
【評】明るい春の空は、未来が希望に満ちたものであることを語っています。むろん、そのためには努力も必要です。
草かり機私的には春の音
渋川小野上中1年 村上 加奈
【評】「わたしてき」という今風の言い方が面白い。草刈り機のモーター音も、春の喜びを歌っているかのようです。
へたくそな字になっちゃった冬の朝
中之条中1年 加辺 詩織
【評】手がかじかんで、うまく字が書けなかったのでしょう。照れ笑いをしているような口ぶりがほほえましいですね。
火星より直送便です春の風
前橋六中3年 六本木いつき
【評】萩原朔太郎の句に「人間に火星近づく暑さかな」がありますが、「春の風」の伸びやかな感覚も負けていません。
さむい朝信号まちが長いなあ
前橋大胡小5年 大原 京子
雪ふって急に道が明るくなる
前橋山王小5年 萩原友香梨
散歩中寒さでふるえる犬の足
前橋下川渕小5年 金子 蓮南(れな)
雪とけて春のにおいがしてきたよ
前橋広瀬小5年 佐々木竜海
さむすぎてゆうびんやさんがかわいそう
高崎城山小5年 太田 彩翔(あやか)
教室に春の光が早くさす
片品武尊根小5年 千明諒之介
休みの日ケヤキと遊ぶ白い雪
前橋大胡小6年 前島 章吾
卒業に心がおどる一ケ月
渋川長尾小6年 小沢 広太
東風吹いて子供かけよる日なたかな
高崎中尾中1年 小林 麗奈
犬までも湯たんぽと寝るさむさかな
中之条中1年 佐藤 優佳
洋服を干す手冷たい冬の朝
渋川小野上中2年 平方 夏美
ロッカーに冬の空気を入れてみる
渋川赤城北中2年 小林 渓太
台所今年も咲いたシクラメン
下仁田中2年 諏訪 暁子
春風が机の上を通ってく
渋川赤城北中3年 丸橋 珠奈
中学校三年間は笑ってた
中之条中3年 関  和希
寒くてもシャーペンにぎる手受験生
中之条中3年 高橋 実央