鈴木伸一選

2011年5月19日上毛新聞掲載


おにごっこ足の裏まで汗をかく
前橋山王小5年 栗原 正明
【評】「足の裏まで」という表現が、さすがにうまい。俳句はこういうちょっとした言い回しが、とても大事なのです。
桜の木満開すぎてすきまない
前橋大胡小6年 阿部 翔太
【評】一つのかたまりになったかのように、びっしりと咲き満ちた桜の花。美しい反面、ちょっと息苦しいくらいです。
城山の集合写真に桜の木
前橋大胡小6年 飯野 亜美
【評】校外学習の記念写真。きれいに咲いた桜の木も、まるでクラスの一員のように、しっかりとカメラに納まります。
大けやき葉っぱをゆらして風作る
前橋大胡小6年 前田 明洋
【評】「風作る」というのは、実際に大胡小の大ケヤキを見たことがある人なら、なるほど、と納得できる表現ですね。
イノシシにほられた花だん花が咲く
長野原一小6年 篠原柚里奈
【評】荒れた花壇にも、ちゃんと花が咲きました。イノシシも生きるためにしたことなのだから、許してあげましょう。
椿散る形を残し音を消し
高崎中尾中2年 金井  巧
【評】花の形はそのままに、ぼとりと音を立てて地面に落ちる椿。そして、静寂。美しい日本画を見るような感じです。
弟と歩幅合わせて春の道
高崎中尾中2年 坂本 瑠菜
【評】幼い弟さんの歩幅に合わせる、姉としての優しい心遣い。ゆっくり歩けば、いろんな発見があるかもしれません。
校庭に白い集団夏近し
東吾妻太田中2年 水出 航平
【評】シャツやブラウス、体育着など。夏の気配が感じられるころになると、学校では急に白い色が目立ってきます。
陽炎の中に木の影人の影
吉岡中3年 中村 麻優
【評】ゆらゆらと立ち昇る陽炎(かげろう)の中に見える木も人も、夢とうつつの境にあるような不思議な雰囲気を漂わせています。
桜の下皆で顔寄せ写真撮る
下仁田中3年 関口 美咲
【評】「顔寄せ」という表現がいい。日ごろから心を許し合っている友人同士だからこそ、自然にこうなるのですね。
花びらが飛び立つ時は静かだな
前橋勝山小5年 青柳 吟(おと)
桜咲く新学年の友情も
前橋新田小5年 森友 雪音
帰り道さくらがまあるくわになった
前橋大胡小5年 葛西  葵
新学期おはようの声があふれてる
前橋大胡小5年 木島 りん
ボールける足元にほらたんぽぽが
高崎城山小5年 富岡  律
春風が学校じゅうに広がるね
伊勢崎赤堀東小5年 筑井みなみ
カキーンと春風ふいてホームラン
中之条小5年 上原隆之介
新学期校門の前でしんこきゅう
前橋大胡小6年 塩月 沙和
大けやき春の終わりの緑色
前橋大胡小6年 山形 百音
春風がまどからまどへとぬけてった
高崎城山小6年 大石 麻衣
花が咲きみんな笑顔でかけまわる
渋川長尾小6年 荒木 和好
やまぶきは春の黄色いおひめさま
埼玉・熊谷妻沼南小6年 榎本みずほ
ボール蹴り春の空までもう少し
高崎中尾中2年 加藤 雅也
走り去る影が重なり風光る
高崎中尾中2年 只木 梨沙
祖母の夢見たその日には花曇
高崎中尾中2年 横田 裕理
春がきたクラス全員ベランダへ
渋川小野上中2年 平方 剛大(たけひろ)
未来への夢を見つける桜かな
渋川赤城北中2年 狩野 祥希
つりざおを用意しながら春をまつ
下仁田中2年 神戸慎太朗
僕の目が春のひかりで光っている
東吾妻太田中2年 高橋  渉
テストの日自信満々黄砂飛ぶ
渋川赤城北中3年 松井 勇樹
春の空体力テストで光る汗
下仁田中3年 工藤 陽平
小鳥なくやる気スイッチ入れなおす
東吾妻太田中3年 松本 香菜
信号を待ってる時間も桜色
東吾妻太田中3年 綿貫 綾香
                (学校・学年は投稿時のものです)