鈴木伸一選

2011年6月30日上毛新聞掲載


鳥の声雨ふる空へ消えてゆく
前橋山王小5年 代田 将弘
【評】雨の中を飛ぶ鳥の声。種類は分かりませんが、まるで雨にとけこんでゆくかのような、不思議な印象を受けます。
青あらしくじゃくが羽をひろげてる
伊勢崎赤堀小5年 渡辺 泰輝
【評】「青嵐」は、初夏に青葉を揺らして吹く、そう快な強風のこと。羽を広げたクジャクとの取り合わせが印象的。
ドア開くと雨あがりのねにおいする
前橋大胡小6年 塩月 沙和
【評】雨あがりは草木だけでなく、空気からも、みずみずしいにおいがしてきます。何て気持ちのいい俳句でしょう。
あついなあでもたのしいなでもあつい
前橋滝窪小金丸分校6年 室田 一樹
【評】暑ければ暑いで楽しいのですが、そうは言っても、あまり暑いのも困ります。「でも」のくり返しがおもしろい。
新緑がざわざわ僕に問いかける
高崎中尾中2年 成瀬  圭
【評】初夏の風に揺れる新緑のざわめきに、自分の内面を見つめ直した作者。こうしたことが、私たちを成長させます。
玄関に傘が集まり会議中
渋川赤城北中2年 石田 玄太
【評】学校か自宅かは不明ですが、何本もの傘が玄関にまとめて置かれているのです。おのずと人の多さも分かります。
深くなる緑に向かって深呼吸
渋川小野上中3年 平方 夏美
【評】日に日に濃くなる緑に向かって、思いきり深呼吸をします。それだけで、今日一日を生き生きと過ごせそうです。
葉桜を一人眺める昼休み
安中松井田北中3年 上原 拓真
【評】葉桜のころはすがすがしい反面、晩春のどこか物憂い気分も漂います。その屈折も、作者の年齢に見合ったもの。
薫風が千本鳥居を通りゆく
下仁田中3年 永井 沙妃
【評】京都伏見稲荷の千本鳥居。約4キロにわたって続く朱のトンネルを、初夏の薫風とともに歩いてゆく作者です。
谷川を背にして校舎風光る
みなかみ水上中3年 阿部 孔祐
【評】「風薫る」は夏ですが、「風光る」は春。校舎だけでなく、谷川岳の残雪も、明るい春の陽光に輝いて見えます。
春の朝優しく広がる鳥の歌
前橋大室小5年 萩原ひまり
夏休みいっぱい遊んでわらうんだ
前橋大胡小5年 まにわもか
ミズバショウパッとひらいて雨がやむ
前橋下川渕小5年 佐竹ひめ乃
妹がたん生日でも泣きまくる
前橋新田小5年 加藤 颯太
庭の木々せん定をして夏の空
前橋滝窪小5年 大谷ゆうか
夕立は夏のにおいがしているね
伊勢崎赤堀小5年 板垣  愛
春すぎて夏に入った好奇心
伊勢崎赤堀小5年 栗原 瑞生
夏の雨百人一首2連敗
伊勢崎赤堀小5年 霜田 裕作
初プールプールの水がはねまわる
前橋大胡小6年 駒 あかね
プールはね入った後にかがやくよ
伊勢崎赤堀東小6年 松原 里夏
自転車をとおせんぼする雲の峰
高崎中尾中2年 熊井 美和
虹の下二人距離おき帰り道
高崎中尾中2年 桜井  優
水の上青葉の色を写しとる
高崎中尾中2年 只木 梨沙
炎天下それでもにこやか道祖神
渋川赤城北中3年 大畠 稜平
炎昼の孤独な太陽空に浮く
渋川赤城北中3年 小林 渓太
たくさんの緑の中に住む私
東吾妻太田中3年 橋爪 由依
水たまりうつった自分に問いかける
東吾妻太田中3年 松本 香菜