鈴木伸一選

2011年7月14日上毛新聞掲載


ゼラニューム父との写真現像す
渋川女子高1年 六本木いつき

【総評】「子どもたちの俳句が標語にならないようにするには、どう指導したらよいでしょうか」というお尋ねをいただきました。なかなか難しい問題ですが、その前に、まず「標語のような俳句」とはどんなものか考えてみましょう。例えば、今回の投句に「朝ごはんしっかりたべて学校へ」(小5)という作品がありました。一読して分かる通り、ちょっと教訓的な内容です。あるいは、日常生活の指針のような内容と言うこともできるでしょう。もっとも、標語とはまさしくそうした性格のものです。ただ、やはりそれは俳句とは違います。なぜかと言うと、標語には総じて詩情が不足しているからです。
 そして、詩情が不足しているというのは、子どもが自分の気持ちをそのまま平板に書き記しているだけというケースが多いのです。「サッカーがうまくなりたい一ねんかん」(小2)という作品などがそれに該当しますが、ただ、この場合は標語的な内容ではありませんので、手直しは十分可能です。最も簡便で、しかも効果的なのは季語の使用で、試しに「サッカーがうまくなりたい夏休み」としてみました。もちろん、他にもさまざまな季語が入ると思いますが、いずれにせよ、子どもたちにほんの少し指導していただくだけで、格段に良くなる作品が多くあります。先生方には、一層のご指導をお願いしたいところです。