鈴木伸一選

2011年7月14日上毛新聞掲載


タチアオイ虹色の塔たっている
前橋山王小5年 栗原 正明
【評】夏の空に、すっくと立ったタチアオイ。色も紅、白、紫などさまざまで、なるほど「虹色の塔」という感じです。
むし暑くバケツのイネは伸び盛り
前橋山王小5年 白石 泰地
【評】バケツでイネを育てているのです。毎日毎日、成長の様子を注意深く観察していることが、よく分かりますね。
長谷寺のきりの中には海が見え
前橋桃瀬小6年 武藤 涼佳
【評】鎌倉の長谷寺には、海をのぞめる展望台があります。霧の中に見え隠れしているのも、神秘的ですてきですね。
六月の雨を受け止め大けやき
前橋大胡小6年 山形 百音
【評】何もかも黙って受け止めてくれるような、大ケヤキの頼もしさ。みんなの悩みも受け止めてくれることでしょう。
みずたまりこどもがあそぶかげうつる
下仁田小6年 土谷 真由
【評】雨上がりの日差しを浴びて、鏡のように輝く水たまり。近くで遊ぶ子どもたちの姿が、くっきりと映っています。
なつの風森のにおいをくばってる
片品武尊根小6年 千明 昌樹
【評】学校にもそれぞれの家にも、森のすがすがしいにおいが配達されたことでしょう。うらやましいな、と思います。
暑くなり犬のしっぽも元気ない
渋川小野上中1年 青木 萌恵
【評】尻尾に元気のなさを見て取ったのは、愛犬家ならではの観察眼でしょう。暑さに参るのは、人間も犬も同じです。
からっぽのからだに染みる蝉の声
前橋東中3年 田中 杏佳
【評】作者の内面にあるむなしさが、「からっぽ」という言葉になったのでしょう。その屈折も、年齢に見合ったもの。
風薫る渡り廊下を通り過ぎ
渋川赤城北中3年 石田 詩織
【評】初夏の薫風が、作者が歩いている渡り廊下を吹き抜けてゆきます。学校生活の中から季節感をとらえた点がいい。
夏の空まっすぐのびる白い道
下仁田中3年 福田すずか
【評】飛行機雲の比喩かとも思いましたが、それより、夏空の下に真っ直(す)ぐ伸びる道を想像した方が「詩的」でしょう。
青い空うかんだ雲に夏香る
前橋桃川小5年 橋本 優夢
タゴガエル夏をよぶのにいそがしい
前橋下川渕小5年 林 龍之介
ヒマワリの頭が一つ見えている
前橋新田小5年 須永 有貴
5時間目今日はプールに入れそう
前橋新田小5年 本田 俊哉
雨ふってすずめ木の下うずくまる
前橋大胡小5年 田村 悠真
カレンダー夏のじゅんびができている
片品武尊根小5年 星野美紗子
太陽がおこったように暑くする
前橋永明小6年 萩原 さや
半僧坊おくに広がる木の緑
前橋桃瀬小6年 久保 皐月
つばめがね曲をひいたら飛んできた
伊勢崎赤堀東小6年 田島 巌大
雨上がり白くまぶしいシャラの花
伊勢崎赤堀東小6年 新山恵瑠菜
電車旅一本おくれ夏の空
渋川赤城北中1年 石田 翔也
熱帯夜さばくでさまよう夢を見た
渋川赤城北中1年 石田ほのか
石一つ泉に投げて気を晴らす
吉岡中2年 栗田さくら
網戸からいっぱいの夏がとびこんで
前橋東中3年 石原のぞみ
机へと向かう私に蝉が鳴く
前橋東中3年 遠藤 志穂
宿題に今日も首ふるせん風機
渋川赤城北中3年 大畠 稜平
友達の白いTシャツ梅雨があけ
渋川赤城北中3年 小野 直樹
勉強中外では鳥が合唱中
渋川小野上中3年 平方 智子
梅雨あけのボールとびかう昼休み
下仁田中3年 神戸 美紅(みく)