鈴木伸一選

2011年7月28日上毛新聞掲載


田植えした田んぼ見ながら登下校
前橋山王小5年 戸部 怜奈
【評】私は、戸部さんたちが田植えをした田んぼかな、と考えました。だから登下校に苗の様子が気になるのでしょう。
あさがおがまきついてたよ夏の雲
伊勢崎赤堀小5年 青木 花鈴(かりん)
【評】アサガオのつるが伸びて、雲に巻きついているように見えるというのです。入道雲だと思いますが、おもしろい。
暗記した枕草子風かおる
伊勢崎赤堀小5年 久保田花音(かのん)
【評】「風薫る」という夏の季語が持つすがすがしさと、「枕草子」のすっきりとした文の印象が、よく合っています。
ふうりんを鳴らして入る風の客
前橋大胡小6年 大原 京子
【評】部屋の中に吹きこんでくる風を、お客さまにたとえました。風鈴の音と一緒に、涼しさを届けてくれるお客さまです。
大けやき入道雲を見つめてる
前橋大胡小6年 中山 瞳来
【評】校庭の大きなケヤキが、さらに大きな入道雲を見上げています。中山さんは、その両方をしっかりと見ています。
台風の目玉が日本をにらんでる
伊勢崎赤堀東小6年 高柳 玲哉
【評】勢力の強い台風は中心の目もはっきり見えて怖いですが、俳句としては、独創的ですぐれたものとなっています。
遠回りしながら歩く木下闇
高崎中尾中2年 碓井麻里奈
【評】「木下闇(こしたやみ)」は、木々が茂ってほの暗い感じになること。直射日光を避けて歩くと、どうしても遠回りになります。
外は梅雨そっと窓開け猫招く
高崎中尾中2年 柏木 将汰
【評】のら猫でしょうか。雨にぬれた姿がかわいそうで、そっと窓を開けて呼び入れたのです。作者の優しさに共感。
あの雲は陣中走る子龍かな
渋川赤城北中2年 狩野 悠哉
【評】「三国志」で人気の蜀の名将、趙雲子龍。名高い「長坂(ちょうはん)の戦」での敵中突破の場面が、俳句で再現されました。
虫たくさん図鑑のような夜の窓
東吾妻太田中3年 松本 香菜
【評】窓明かりに集まってきた、たくさんの虫。「図鑑のよう」は言い得て妙ですが、虫が苦手な人は顔をしかめるかも。
暑い中みんなもせみもうなってる
前橋荒牧小5年 橋爪 俊樹
にぎやかな暑い空気のおまつり中
前橋勝山小5年 柳沢 優名
夏の空くもがかたまりわらってる
前橋山王小5年 佐藤  健
氷水宿題忘れたくさんだ
伊勢崎赤堀小5年 金井 結夏
臨海の室長やるぞ真夏空
伊勢崎赤堀小5年 真下 万凜(まりん)
すべりだいすべるとすずしいかぜがくる
長野原一小5年 久保田和輝
夏の夜海に行く夢まさ夢に
甘楽福島小6年 久保真梨子
至仏山後ろ向いたらきりすごい
片品小6年 星野 友吾
遠い日の気持ち重ねる夏の空
高崎中尾中2年 阿部 綾乃
教室を満たす若葉の風が吹く
渋川赤城北中2年 田子 怜奈
夏蜜柑どこか遠い夏の味
東吾妻太田中2年 田代 隼人
万緑と川の青さに立つ私
前橋東中3年 長谷川瑠美
山の端が曇って見えしせみの声
渋川赤城北中3年 茂木まどか
照りつける真夏の太陽大笑い
下仁田中3年 佐藤 優衣