鈴木伸一選

2011年10月6日上毛新聞掲載


ハブラシがちょっと傾く秋の夜
前橋山王小5年 栗原 正明
【評】俳句は特別な出来事を表現するだけでなく、こんなふうに日常の中のちょっとした発見を描くことも大切です。
秋の風けやきの周りをかけぬける
前橋大胡小6年 川本 莉奈
【評】校庭の大ケヤキの周囲を、秋風が吹き渡ります。もちろん、子どもたちも一緒に駆け回っていることでしょう。
会話する仔犬と秋の風達よ
渋川赤城北中1年 石田ほのか
【評】子犬に寄せる作者の視線に、とても温かいものを感じます。風と戯れる子犬の愛らしさは、皆の心を和ませます。
秋の昼雄々しき木々の仁王立ち
渋川赤城北中1年 狩野 学人
【評】「雄々しき」「仁王立ち」という強い印象の言葉だけが浮き上がることなく、全体としてよくまとまっています。
時というページがめくれる読書かな
渋川赤城北中1年 狩野  南
【評】じっくりと時間をかけて内容を味わいながら、本のページをめくってゆく。そんな豊かな時間を、どうか大切に。
俳句書く優しく当たる秋の風
渋川小野上中2年 野村 広太
【評】秋風を優しく感じたのは、何よりも作者自身が優しいから。俳句が日常に根付いているのも、うれしいことです。
帰り道風吹く先のいわしぐも
渋川小野上中3年 中沢 莉穂
【評】吹き抜ける風に導かれるようにして空を見上げると、そこには一面の鰯(いわし)雲。秋の季節感を素直にとらえています。
秋風を体に感じ朝を行く
下仁田中3年 黛  友紀
【評】「朝を行く」がいい。時間帯を限定したことで、秋風のさわやかさが、豊かな実感とともに伝わってくるのです。
秋が来るゆっくりふいてく風の道
前橋勝山小5年 柳沢 優名
コンパスで書いたようなお月さま
前橋大胡東小5年 町田  希
運動会おうえん背中に風になる
前橋下川淵小6年 茂木  碧
風を切りとんぼが見つめる優勝旗
前橋大胡小6年 中山 瞳来
秋の夜すずしくなって紅茶飲む
伊勢崎赤堀東小6年 大島 菜月
かきの実が夕日のように赤くなる
伊勢崎赤堀東小6年 岡野 由依
五時間目入道雲が空つつむ
伊勢崎赤堀東小6年 堀   楓
新涼の空気を食べる空の味
渋川赤城北中1年 石田 翔也
赤とんぼ明日に向けての贈り物
渋川赤城北中1年 石田 世奈
雨降りはだれにも会わぬ帰り道
渋川赤城北中1年 上村 夏希
体育着の横を走った秋の風
渋川赤城北中1年 望月 美紅
秋桜風にゆれてるこの心
高崎中尾中2年 斉藤 奈々
枯れた花見てるとなんだかのどかわく
渋川小野上中2年 村上 加奈
どんぐりが五つほどしかのらない手
吉岡中2年 栗田さくら
日の光あやつり人形あさがおを
東吾妻太田中2年 柏原 大輝
階段が冷たく感じる季節かな
渋川小野上中3年 新井 航大
雲もなくからっぽの空トンビ鳴く
渋川小野上中3年 杉山 大樹(ひろき)
太陽を食べてるみたいなトマトかな
東吾妻太田中3年 小渕 佑衣