林桂選

2011年12月8日上毛新聞掲載


白牡丹月夜月夜に染めてほし
高崎健康福祉大高崎高1年 橋本  栞
【評】「白牡丹といふといへども紅ほのか」(高浜虚子)ですが、月光が染める白牡丹(ぼたん)は幻想的な白さで美しいでしょう。
秋桜に埋もれて歩く甥ふたり
高崎北高1年 井坂 早希
【評】幼くて、コスモスの花畑の丈に隠れて見えなくなる二人の甥(おい)。可愛らしさと共に、絵画的な美しさも感じます。
一朝の哀しみ照らす朝顔よ
渋川女子高2年 原沢 志帆
【評】一朝の花である朝顔は一期一会の花。朝顔自身も哀(かな)しい花ですが、人の哀しみを花明かりが照らす朝もあります。
待宵に隅から冴える校舎かな
高崎東高2年 冨所 怜奈
【評】「隅から冴(さ)える」がいい。校舎の広い空間を、象徴的に捉えています。「待宵」は十五夜を明日に控えた夜のこと。
冬の空鳥の鳴き声透きとおる
高崎北高1年 寺本  萌
澄み切った青を重ねた秋の空
高崎北高1年 主代 望都
我が影を夜道に落とす月明かり
高崎北高1年 飯沼瑛里香
御荷鉾山鼻を乾かす秋の風
高崎高2年 宇田 颯馬
言の葉を盗みて凩吹きにけり
県前橋高2年 林   稜
焼き芋の声に誘われ靴を履く
前橋女子高2年 中野 宏栄
野分だつ葦の野中の我一人
前橋女子高2年 神村 英里