鈴木伸一選

2011年12月1日上毛新聞掲載


秋の空流れるくもがはやいはやい
前橋山王小5年 木原 美羽
【評】そろそろ冬の気配がただよい始めた空でしょう。冷たい風が強くふいて、雲の流れもおどろくほど速いのです。
お姉ちゃんしゃべらなくなり受験生
前橋山王小5年 栗原 正明
【評】受験をひかえて、だんだんと無口になってきたお姉さん。弟としての思いやりが、とてもよく伝わってきます。
妹がかぜをひいたら家静か
前橋山王小5年 桜井あかり
【評】いつもは元気よくてうるさいくらいの妹が、きょうはかぜで寝ています。静かすぎて、少しさびしいくらいです。
そうじしたきれいになった秋の空
伊勢崎赤堀小5年 諏訪那瑞菜(なずな)
【評】そうじをしてさっぱりすると、空まできれいになったように感じます。もちろん、心の中もきれいになりますね。
眠り猫にぎやかな秋ねむってた
前橋荒牧小6年 須藤  隆
【評】日光東照宮の、有名な「眠り猫」。観光客でごった返す中でも平気で眠っているという、ユーモアがいいですね。
紅葉を見るとかんじるさみしさや
前橋大室小6年 佐藤 正明
【評】先日、大室小で俳句授業をしました。その時、佐藤君が小学生最後の秋でさびしいと言ったのが心に残りました。
大仏が大きく映える秋の空
前橋白川小6年 峯  晃生
【評】さわやかな秋空の下、鎌倉の大仏が一層大きく目に映るのです。修学旅行俳句として、しっかり書けています。
カレンダーあと一枚だからっ風
前橋嶺小6年 木村 郁斗(ふみと)
【評】カレンダーもすっかり薄くなってしまい、何だかさびしい気分です。からっ風も、余計に冷たく感じられます。
えんぴつをにぎるたび思う冬の寒さ
東吾妻太田中1年 小池 佳菜
【評】中学生にとって一番身近な鉛筆を通して、冬の季節感をとらえたところがいい。「にぎるたび」が、うまい表現。
窓の外笑顔が消えた枯木かな
渋川赤城北中2年 片貝 朋美
【評】青葉の木が笑顔なら、枯れ木は確かに不機嫌な顔つき。作者の心の中にも、何かわだかまるものがあるのでしょう。
夕暮れに心がゆれる秋の空
前橋荒牧小5年 小林 竜成
秋になりタンスも空も衣がえ
前橋大室小5年 福島 繭子
ヘディングで見上げた空にウロコ雲
前橋山王小5年 小林 亮介
家の前野原がゆれてる冬の風
前橋大胡小5年 長谷川可咲
夏休みぼうずにしたよ千円で
高崎片岡小5年 石原  匠
おにごっこおにになれない秋の暮
伊勢崎赤堀小5年 金井 結夏
一本のぼうに一ぴきのとんぼがとまってた
伊勢崎あずま小5年 新井 慎吾
柿の木が柿ばくだんを投下する
前橋大室小6年 斎藤 一樹
ばあちゃん家干し芋食べごろ待っている
伊勢崎赤堀東小6年 茂木 愛奈
しもばしら意識して歩く登下校
片品武尊根小6年 三浦 紗加(すずか)
とんでいく一球北風突き抜ける
渋川赤城北中1年 須田 諒治
自転車のサドルの上に雪が降る
東吾妻太田中1年 橋爪 海人
ざわざわと東京にも落ち葉があった
渋川金島中2年 樋口妃梨乃
空に向き紅葉が一枚風にのる
渋川赤城北中2年 谷津 瑞穂
風吹いて舞い散るもの達楓達
埼玉・東松山東中2年 青木 映璃
教室の日なた探して移動する
渋川小野上中3年 佐藤 直樹
友人を待つ息白く冬近し
渋川小野上中3年 村上 美紀