佐藤清美選

2012年1月12日上毛新聞掲載


風吹いて指先感じる秋の朝
前橋大胡東小5年 町田  希
【評】指先が感じているのは、もちろん寒さ。でも寒さと言わずに、秋の朝のひんやりした感じをうまく表しています。
くりごはん口の中から秋になる
前橋山王小5年 代田 将弘
【評】くりごはん、おいしいですね。くりごはんで口の中から秋になるなんて、幸せなひとときです。
秋の山かすかにきこえる神の響(こえ)
前橋荒牧小6年 春日 夏葵
【評】秋の実りを与えてくれる山の神。神の響はかすかで、心を澄まさなければ聞こえない響でしょう。
秋桜道にはみ出て色光る
みなかみ水上中1年 奈良  暁
【評】秋桜、コスモスは自由に広がって咲きます。ピンクに白、黄色など、きれいな色で咲き、短い命を輝かせています。
もう待てない机の上に蜜柑置く
高崎中尾中2年 松井 俊介
【評】何が待てないのかは語られていませんが、机の上に蜜柑を置く行為が次の行動への強い決意を表しています。
小上(こあが)りの框(かまち)冷たし春の雪
渋川赤城北中2年 角田  慎
【評】家の小上がりでしょうか。あがりかまちに腰かけて、窓の外の春の雪を見る、さびしい感じが伝わってきます。
銀杏のにおいただよう上野駅
渋川金島中2年 小野塚和希
【評】秋の上野駅には、上野公園からの銀杏の匂いが漂ってくるのでしょう。少しレトロな感じがしてすてきな句です。
裸木に顔を寄せれば祖父の声
吉岡中2年 滝沢  樹
【評】祖父との思い出の木。冬が近づき、葉がすべて落ちてしまっても、祖父のあたたかな声は聞こえてきます。
秋風にのってくるのかさみしさよ
下仁田中3年 金井 宏樹
【評】さみしさは自らの意志で、秋風にのってやってくるのですね。秋風が吹いて、心にさびしさがたどり着きました。
登校中牛もねむいとあくびする
前橋大胡小5年 石井 まこ
赤城山前には大きなにじがたつ
前橋大胡小5年 木村 陽香
寒桜早く起きてもみないない
前橋大胡東小5年 安藤 太朗
おいもほりねずみみたいないもが出た
前橋城東小5年 塚田 みゆ
マラソンで風切る音はおうえんに
前橋山王小5年 福田 真優
休日にまどを開けると秋のにおい
高崎佐野小5年 高橋 麻衣
秋のゆうひせなかにのせて走っていく
高崎佐野小5年 山口 優夏
登校でかれ葉は何枚ふんだかな
高崎佐野小5年 佐野 萌香
秋の山マラソンカード進まない
伊勢崎赤堀小5年 霜田 裕作
委員会鶏小屋そうじ秋の風
伊勢崎赤堀小5年 金井 結夏
放課後におにごっこしたよ蔦紅葉
伊勢崎赤堀小5年 久保田花音
椿の実ももいろ光る雨あがり
伊勢崎赤堀小5年 麦田 寛明
赤城山からすうり色に衣がえ
前橋大胡小6年 中山 瞳未
縁側のいすに落ちてるもみじの葉
前橋粕川小6年 伊藤ほのか
紅葉をし始めている山ぼうし
伊勢崎赤堀東小6年 小野塚銀太
初恋は知らないうちにさめている
安中原市小6年 友成彩矢香
冬の朝寒さの雫舞い降りて
前橋五中1年 福田 智佳
部活中ベースにカマキリまわってる
高崎高南中1年 渡辺 世界
蟷螂と稲刈り競争始まります
高崎高南中1年 土屋 匡司
どんぐりを皆で拾い暗くなる
高崎高南中1年 永井 未生
柿の木を弟欲しがる帰り道
高崎中尾中2年 鳴嶋 羅以
梨むいて長く落ちてる皮の影
高崎中尾中2年 只木 梨沙
葉が落ちるまえにキャッチして遊ぶ
渋川赤城北中2年 須田 涼斗
野球部は「寒い」を連呼でランニング
渋川小野上中2年 斎藤 天道(たかのり)
部活中かりんの香りほほえむよ
渋川小野上中2年 角田 萌(めぐみ)
東京の落ち葉が創る散歩道
渋川金島中2年 羽鳥 龍郎
温泉でオリオン探す季節かな
渋川赤城北中3年 小野 直樹
消しかすの量が知らせる受験生
渋川小野上中3年 樋田 浩治
冬の夜冷たくなった足の指
下仁田中3年 市川華菜子
受験勉ごほうびばかり考える
東吾妻太田中3年 清水 亜美