鈴木伸一選

2012年2月9日上毛新聞掲載


うちのねこ一ぴき出ていくさむいよる
前橋大胡小5年 生田目大せい
【評】猫は寒いのが苦手なのかなと思いきや、冬の夜に外へ出てゆくのもいるというのです。何の用があるのでしょう。
初雪でまた友達と仲良くなって
前橋下川淵小6年 石橋 由基
【評】初雪が降って友だちといろんな遊びをして、さらに仲良しになったというのでしょう。また降るといいですね。
お正月空いっぱいに白い雲
伊勢崎赤堀東小6年 岩森 龍我
【評】空いっぱいの雲といっても、重い灰色ではなく、すがすがしさを感じさせる白雲。そこが、お正月らしいですね。
まど際の席でも寒い冬の午後
甘楽福島小6年 白石  崇
【評】日が差して暖かいはずの窓際の席ですら寒いとは、よほど冷え込んだのでしょう。たいへん実感豊かな句です。
初空に描いたように鳥一羽
高崎中尾中2年 横沢 梨乃
【評】「初空(はつそら)」は元日の空ですが、主に朝の空の感じ。見るからに清らかな青空に、一羽の鳥。なるほど絵のようです。
オリオン座見つけるまでに寒くなる
渋川赤城北中2年 須田 涼斗
【評】オリオン座は割とすぐに見つかるでしょうが、そのわずかな時間でも、体が冷えてくる?。いかにも寒夜です。
受験前枯れ木と私同じ顔
渋川小野上中3年 中沢 莉穂
【評】もちろん、実際に枯れ木のようだというのではなく、心理的にそう感じられるということ。受験生の率直な思い。
降り積もる小さな雪は不安のようで
東吾妻太田中3年 中島 征也
【評】不安の要因はいろいろあると思いますが、やはり受験が一番大きいでしょう。早く春が来るように祈っています。
息白く家の中まで冬景色
下仁田中3年 森下  颯
【評】真っ白な息は見るからに寒々しく、目に映るものすべてを冬景色に変えてゆきます。「家の中まで」は鋭い把握。
初もうで自分のえとのストラップ
前橋大胡小5年 岩田 美紅
ホームラン打つぞと願う初もうで
みなかみ月夜野北小5年 小野 裕人
冬の朝かげひきながら学校へ
前橋大胡小6年 内田 圭人
雪がふり校庭シーンとしているよ
前橋下川淵小6年 金子明日翔
初日の出庭の芝生も光ってる
前橋桃瀬小6年 久保 皐月
冬の空よび声ひびくだるま市
高崎片岡小6年 金沢 茉穂
十八日こたつの中の冬休み
高崎里見小6年 多胡 周也
明るいないとことすごす大晦日
藤岡美土里小6年 大口 和真
足あとが僕を追いかけ雪の上
高崎高南中1年 関根あすか
初もうで車の中で年をこす
高崎高南中1年 八木 柚香
初夢を見ている途中で起こされる
高崎中尾中2年 藤島 大介
弟の頬に花咲く初日の出
高崎中尾中2年 横田 裕理
雪降れば庭の木木がまたねむる
渋川赤城北中2年 岡田 真優
寄せ鍋で心の底から温まる
みどり東中2年 荒井 幸輝
雪ひとつ思い出としてしみわたる
渋川金島中3年 松村 奈々
黒板のチョークの音も凍ってる
東吾妻太田中3年 小渕 佑衣