鈴木伸一選

2012年3月8日上毛新聞掲載


大けやきみんながくると元気でる
前橋大胡小5年 相川奈々美
【評】校庭の大ケヤキは、みんなの声に元気をもらっているのです。相川さん自身も、きっと大ケヤキと同じでしょう。
しゃぼん玉母と妹笑ってる
前橋大胡小5年 福田 知香
【評】「しゃぼん玉」は春の季語。暖かな日差しの中で笑い合う親子の姿に、小さくても大切な幸せがあふれています。
せつ分の次の日いっぱいとりがくる
前橋大胡小5年 摩庭 萌華
【評】節分の翌日、庭にまいた豆を鳥たちが食べにきたのかな。それとも春が来たことがうれしくて飛んできたのかな。
風つくるなわとびまわすさむい中
前橋大胡東小5年 吉沢 歩望(あゆみ)
【評】「風つくる」という表現がいい。私のところにまで、ヒュンヒュンというなわの音と冷たい風が伝わってきます。
黒板をきれいに消すよ冬の朝
伊勢崎赤堀小5年 青木 花鈴(かりん)
【評】寒いけれど、すがすがしい冬の朝。
冬深しヘレン・ケラーの本借りる
伊勢崎赤堀小5年 久保田花音
【評】盲聾唖(もうろうあ)に負けず社会に尽くしたヘレン・ケラーの伝記を借りたのです。冬の終わりにじっくりと読んでください。
ろう梅が光とともにここにさく
埼玉・熊谷妻沼南小6年 田上  航
【評】卒業記念にロウバイを植樹したのでしょう。つややかな黄色い花の印象を、光とともに咲くと表現したのが見事。
雨が降り春もいっしょに降りてくる
渋川赤城北中1年 望月 美紅
【評】「降る」「降りる」の使い分けに、表現の工夫が見られます。春が一雨ごとに近づいてくることが実感されます。
水の音大きくなれば春近し
渋川小野上中2年 竹内 義和
【評】実際に水音が大きくなるのかどうかという以前に、「春近し」とはこういうものだと直感的に納得できる句です。
鉛筆と一緒に春を待っている
東吾妻太田中3年 井村 佳歩
【評】一緒に頑張ってきた鉛筆を見つめて、春の到来を待っている作者。季節の春も人生の春も、きっとやって来ます。
暖かい風が卒業近づける
下仁田中3年 佐藤 優衣
【評】日増しに風が暖かくなってゆくのは、卒業が近づいてくるということでもある?。複雑な胸の内がうかがえます。
夜来れば北風もいそぐ帰り道
前橋山王小5年 佐藤 大悟
しも柱お母さんふむと音でかい
前橋大胡小5年 鈴木 大樹
すみっこのたんぽぽが言う春だよと
高崎金古小5年 工藤 悠里
冬の雲放送委員久しぶり
伊勢崎赤堀小5年 川田 龍芽
算数は百分率だ息白し
伊勢崎赤堀小5年 斎藤 愛果(まなか)
かわかない牛にゅうパック冬の雲
伊勢崎赤堀小5年 宮崎 真衣
ズンズンと春がくる音きこえたよ
前橋永明小6年 笠原 拓海
冬の夜闇の向こうに猫の声
前橋大胡小6年 井口まりん
大けやき冬の景色をながめてる
前橋大胡小6年 千葉  南
雲割れて静まりかえる日の出かな
高崎国府小6年 樋口  眸
冬の日の夕ぐれ空もきれいだな
高崎多胡小6年 神保 亜実
風光る花の香りをひきつれて
渋川赤城北中1年 石田 彩音
水道が凍らなくなり春の声
渋川小野上中1年 外丸 伊織
満月に照らされている徹夜かな
渋川小野上中3年 佐藤 真由
卒業式昨日と違う春の風
安中松井田東中3年 山田 恭介
ストーブに見守られている受験生
東吾妻太田中3年 小渕 佑衣
雪溶けて水たまりにはしかめっ面
東吾妻太田中3年 萩原 ゆき