鈴木伸一選

2012年3月22日上毛新聞掲載


チューリップ芽が出て春へ一直線
前橋大胡小5年 酒井 仁成
【評】チューリップがぐんぐん成長してゆく様子を、「一直線」でうまく表現しました。読んで気持ちのいい俳句です。
かんばんのうらにかくれて残る雪
前橋大胡小5年 本郷 橘平
【評】「うらにかくれて」という言い方がおもしろい。人間以外のものを人間のように描く擬人法(ぎじんほう)の、よい見本です。
霧の中見えない鳥がないている
前橋月田小5年 松村 和起
【評】「見えない鳥」という表現が、不思議な雰囲気をかもし出しています。どんな鳥かは、読者が想像しましょう。
弟はサッカーボールをだいてねる
前橋山王小6年 武藤 早那(はやな)
【評】サッカー好きの弟を見守るお姉さんの優しさ。弟さんは、きっとサッカーの試合の夢を見ていることでしょう。
登校中マフラー取って春が来る
前橋下川淵小6年 森  智紀
【評】登校途中で少し暑くなってきたのです。マフラーを取るという何気ないしぐさが、春のおとずれを告げています。
包帯をまいてる腕は風しみる
渋川赤城北中2年 名塚 遥平
【評】「風しみる」は実際にそうだという以上に、心理的な「風しみる」なのです。まずは、けがを早く治しましょう。
風花がテニスコートにまた降りし
中之条六合中2年 山本 梨奈
【評】「また」という一語の効果大。くり返し舞う風花に、学校生活を通してとらえられた季節感がよく出ています。
面接で座ったいすの冷たさや
渋川赤城北中3年 松井 勇樹
【評】高校の面接試験に臨む作者の緊張感や不安感が、「いすの冷たさ」に象徴されています。私も同じようでした。
寒いほどきれいに見えるオリオン座
前橋山王小5年 小林 亮介
冬の空宿題の事おもいだす
前橋山王小5年 清水  怜
晴れるとね春って感じがしてきたよ
前橋大胡小5年 石井 麻瑚
ラジオからながれる音楽春の歌
前橋大胡小5年 高坂 七海
太陽がおちこんでると春こない
前橋月田小5年 小田圭一郎
寒いのかな並んでくっつく十姉妹(じゅうしまつ)
前橋下川淵小6年 常盤 優奈
チューリップきれいにさいて卒業だ
前橋大胡小6年 金子 順司
雪がとけやぶからたけのこみえてきた
甘楽福島小6年 鈴木  陸
春近し空に浮き出る雲の道
渋川赤城北中1年 星野 伶奈
春の風こいよこいよと雲を呼ぶ
東吾妻太田中2年 柏原 大輝
ねぼうした春のふとんは温かい
東吾妻太田中2年 村田 深雪
卒業を笑顔で送る送られる
渋川金島中3年 加藤 舞子
電灯に寂しさ積もり雪が降る
渋川赤城北中3年 岩崎 貴之
雪かぶる桜の木には春見えて
渋川赤城北中3年 狩野 静香
ぞうきんで3年間をふきとった
渋川赤城北中3年 永井 祐希
春恋し姉の制服あててみる
渋川子持中3年 池田菜々花