佐藤清美選

2012年4月12日上毛新聞掲載


彫刻刀するどく切れて冬の風
前橋山王小5年 栗原 正明
【評】彫刻刀で木版をけずっていて、するどく切れると、はっとするときがあります。冬の風のするどさとも呼応します。
お母さんの真っ赤な手を見てお手伝い
高崎城山小5年 佐藤 琉真
【評】真っ赤な手になるまで、お料理や洗いものをしてくれているお母さん。お母さんを気づかう優しさが伝わります。
えんぴつの名前がうすい冬の朝
伊勢崎赤堀小5年 下橋 航大
【評】冬の朝は手が冷たくて、えんぴつを持っても力が入りません。書いた名前のうすい文字。寒さを感じさせます。
通学路とけない氷がずっとある
伊勢崎赤堀東小6年 小野里銀太
【評】毎日の通学路に、ずっと日陰になるところがあるのでしょう。とけない氷。ずっと気になります。
春風が吹いてくる日を待つ家族
渋川小野上中1年 村上 恭香
【評】誰もが春風吹く日を待ちわびているものですが、「家族」と言われれば、なるほど、家族で春を待っていますね。
薄氷を踏み付け空が割れていく
高崎中尾中2年 竹内 忠義
【評】薄氷に空が映っていたのでしょう。薄氷を割る行為は手に届かない空を割る行為。俳句という詩の世界でできること。
星空を見上げた先の明日かな
東吾妻太田中2年 中沢 雅
【評】明日というものが希望のたとえであるなら、星空を見上げた先にも、明日はあるのでしょう。いつも視線を上げて。
校庭の足跡カチコチこおってる
前橋荒牧小5年 横坂 桃子
自転車で赤城おろしと勝負する
前橋下川淵小5年 中林 滉貴
冷たい手友の背中であたためる
前橋嶺小5年 山田くるみ
納豆の引く糸電波に見える冬
前橋桃川小5年 斉藤 優維
冬セール母も私もしんけんだ
桐生桜木小5年 秋元千賀子
さむい日のわたしのはなはプチトマト
桐生桜木小5年 三田 優奈
算数がわからなくなる冬の星
伊勢崎赤堀小5年 金井 結夏
冬の日の小さい頃の洋服だ
伊勢崎赤堀小5年 諏訪那瑞菜
一年生ドキドキワクワクしてるかな
安中小5年 久保詩緒里
冬の夜こたつの中は大戦争
南牧小5年 工藤廉一郎
おとし玉春くるころはつかいきる
高崎金古南小6年 市川 誉揮
シクラメンいつも授業をみつめてる
高崎多胡小6年 木本 百香
猫のあと三つ見つけた雪の道
長野原一小6年 篠原柚里奈
鍋洗いかわいた後は猫鍋に
渋川小野上中1年 村上 恭香
冴返る空に虚しく光散る
高崎中尾中2年 横田 裕理
切りすぎた前髪笑うからっ風
渋川赤城北中2年 茂木 美里
信号機はやくかわれと冬の朝
東吾妻太田中2年 茂木 美里
新雪が踏まれてキュッと笑いだす
水上中2年 宮代 紗希
春ちかづき変わっていくのは山の色
下仁田中3年 黒沢 京華
節分の豆が毎年増えてくる
下仁田中3年 里見 菫