鈴木伸一選

2012年4月19日上毛新聞掲載


足元の春のにおいにしゃがみこむ
群馬大附属小5年 品川 瑞華
【評】しゃがみこんだ作者の様子が、よく見えてきます。花のにおいかなと思いますが、それは読者が想像しましょう。
霜がふる時間が止まったチューリップ
前橋月田小6年 長瀬小杜子
【評】春になっても霜が降りることがあります。チューリップも、成長するのを一時中断してしまったように見えます。
さくら舞うホイッスルがこだまする
渋川赤城北中1年 茂木 亜美
【評】桜の花びらが舞う中、何かの競技のホイッスルが響きます。その鋭い音によって、さらに花が散るかのようです。
春休み先輩になる準備かな
東吾妻太田中1年 剣持 真琳
【評】進級して、いよいよ「先輩」と呼ばれる立場になります。春休みのうちから心構えをしておこうというわけです。
水仙が教室色どる朝の会
東吾妻太田中1年 松井 孝太
【評】白の他に黄水仙も活(い)けられている感じがします。すがすがしい香りで、朝の会もきびきびとしたものになりそう。
春の夜の碁盤に響く石の音
高崎中尾中2年 関口 翔太
【評】落ち着いた詠み方といい、渋い内容といい、大人顔負けといった感じの俳句です。石の音もよく聞こえてきます。
一回りたくましくなった春の空
高崎中尾中2年 中島 貴広
【評】春の大空に、自分の成長を実感している作者。若いうちは、短期間で心身ともに見違えるほど逞(たくま)しくなります。
新しいときを感じる春の空
高崎中尾中2年 横沢 綾香
【評】すべてが新しく、みずみずしく見える春。作者の心の中にも、何か新しい感情が芽ばえてきているのでしょう。
春うららほほをかすめるやさしい手
渋川赤城北中2年 都丸 鈴音
【評】「やさしい手」は、そよ吹く春風の比喩でしょう。作者自身の心が優しくなければ、こういう句は書けません。
春風や時間が見えた午後1時
前橋桃川小5年 斉藤 優維
チューリップピコッと出てきてニョコニョコ育つ
前橋大胡小5年 杉浦 日南
春の沼かがみのように空うつる
みどり笠懸小5年 星野有里沙
制服と自転車買って中学生
甘楽福島小6年 久保真梨子
春一番夢に向かってキックオフ
渋川赤城北中1年 斉藤 遥平
教室の荷物と思い出片付ける
渋川赤城北中1年 須田 諒治
青空が春ののどかさ語ってる
渋川小野上中1年 金子 佳彦
ありがとうそんな言葉の弥生かな
東吾妻太田中1年 小池 佳菜
良くかわき春を呼んでる庭の土
東吾妻太田中1年 町田  鷹
暖かな日射しをあびて見る黒板
高崎中尾中2年 小野里春菜
足入れて猫が出て行く春炬燵
高崎中尾中2年 長谷川 遥
空見上げ輝くものはシャボン玉
渋川赤城北中2年 須田 華恋