鈴木伸一選

2012年5月31日上毛新聞掲載


春の朝光でさくらがすけている
前橋永明小5年 萩原 良真
 【評】満開の桜に朝の光が当たり、ピンク色が一段とすきとおるように感じられたのでしょう。何とも美しい情景です。
昔より小さくなったこいのぼり
前橋大胡小5年 新木  諒
 【評】こいのぼりが小さくなったのではありません。新木君が成長して体が大きくなったから、小さく見えるのです。
五月はね風を感じる時期なんだ
前橋大胡小5年 伊藤 美紅
 【評】「風薫る」とか「青嵐」とかといった初夏の季語があります。心地よく吹いたり強く吹いたり、風もさまざま。
春風が心もゆらす新学期
前橋元総社北小6年 金城 知佑(ちう)
 【評】新学期というのは、何となく気持ちも落ち着かないもの。本来なら心地よい春風にも、心がゆれるというのです。
春の風家庭訪問始まった
伊勢崎赤堀小6年 朝倉 悠太
 【評】家庭訪問の真っ最中でしょうか。もうすぐ先生が来るのでしょうか。いずれにせよ、何とも落ち着かない気分。
夏めくや夜空に光る星の数
吉岡中1年 中島 拓海
 【評】上五を「や」で切り、下五を名詞止めにするという、最も伝統的な書き方。そのため、とても安定感があります。
木々見るとそっと周りに風がふく
東吾妻太田中1年 湯浅  陸
 【評】確かに、木々の周りには常にゆるやかな風が吹いているような気がします。作者の繊細な感覚がうかがえます。
赤信号一緒に待つか蝸牛
渋川赤城北中2年 吉川  梢
 【評】あわてない、あわてない。そんなことを自分に言い聞かせていると、ふとカタツムリが親しい友に思えてきます。
やぐるま草一輪でぽつりとさみしそう
前橋永明小5年 神保 朱里
大いちょう最近風でさわいでる
前橋永明小5年 柳岡 和希
こいのぼり風の小川で泳いでる
前橋大胡小5年 高橋 莉穂
夏になり新しい風がふいてくる
前橋大胡小5年 浜 月空斗(がくと)
みどりの日トンネルになるわかばかな
中之条小5年 唐沢まどか
畦青む主役のいない散歩道
前橋山王小6年 栗原 正明
くだらないことをしてても桜散る
伊勢崎赤堀小6年 清水 貴史
算数のテストまちがえ春おわる
伊勢崎赤堀小6年 鈴木 倖耶(こうや)
慣れてきて笑顔が増えた一年生
安中小6年 久保詩緒里
満開の小幡の桜を見てなごむ
甘楽福島小6年 瀬下 拓武
軒先を風といっしょにつばめよこぎる
下仁田中1年 茂木 聖(ひじり)
つゆの日は心の中でも雨跳ねる
渋川中2年 佐成 海斗
太陽に向かって若葉が手を伸ばす
渋川赤城北中2年 石田ほのか
水を張る田を輝かす夕焼けよ
渋川小野上中2年 中沢 大樹(ひろき)
夏の風ふかれて光る空の星
みどり大間々東中2年 丸橋 彩菜
妹の元気な声が夏を呼ぶ
東吾妻太田中2年 阿部 夢香
夏近し緑が映る窓ガラス
東吾妻太田中2年 高橋 李菜
鯉幟見上げて父と夢語る
渋川赤城北中3年 石田 玄太