佐藤清美選

2012年6月21日上毛新聞掲載


お米のねとぎ汁みたいだ春がすみ
前橋桂萱小5年 岩上 千紘
【評】春の暖かさでうっすら雲がかかるのを霞(かすみ)(春霞)といいます。春霞をお米のとぎ汁にたとえて、面白いです。
こいのぼり風がないときおぼれてる
前橋桂萱小5年 田部井遥香
【評】風を受けたこいのぼりはりっぱですが、風がないときのおぼれているこいのぼりは、ちょっと情けなさそうです。
こいのぼり星の海を泳いでる
前橋月田小6年 石原 達也
【評】夜風を受けたこいのぼり。星空をバックに泳いでいるすがたは、星の海をどこまでゆくのか、想像したくなります。
こいのぼり思い出の風で泳いでる
渋川赤城南中2年 小田桐侑史
【評】「思い出の風で」という表現がうまい。作者が見ているのは過去のこいのぼり。子どもの頃の端午の節句です。
雨は好き色んな事をかくすから
東吾妻太田中2年 竹内  愛
【評】かくしておきたい事とは何でしょう。恋心。友人とのいさかい。傘の下、自分の心を大事に抱えます。
水面に映り映らず風光る
高崎中尾中3年 前川 早紀
【評】「風光る」とは春の風の輝きのことですが、その風の輝きが水面に映り映らず。風の姿をとらえようとした俳句です。
あの人を思い花摘む春野原
赤城養護小児医療分校中3年 神宮 匡貴
【評】「赤い花白い花」という歌を思い出しました。誰かを思って花摘む春野原は、切ない感じがします。
毎日が桜のように散っていく
東吾妻太田中3年 中嶋 美玲
【評】中学3年生の春は、惜しんでも取り戻すことができない貴重な一日一日。けれど散る桜のように美しい日々です。
雨ふってゆうこときかないせんたくもの
前橋大胡小5年 大竹 叶花
わたしはね世界じゅうをねかけめぐる
前橋大胡小5年 角田きらり
さくらまだちっちゃだめだといのってる
前橋大胡東小5年 坂部  潤
春になる外がぱあっと明るくなる
前橋桂萱小5年 都丸 果南
やっときたウグイスの声きける時
中之条小5年 飯塚 大樹
ねむってた虫たち起きて春の歌
中之条小5年 林  香織
鳥の声森へ森へとひびいてる
水上小5年 伊尾木沙都
連休は空ながめることが好きになる
前橋山王小6年 栗原 正明
友だちが光って見えるよやさしくて
前橋白川小6年 佐田 朱里
夜桜が星なき空の星となる
前橋月田小6年 松村 和起
山おくに小さくいろどる桜の木
南牧小6年 工藤廉一郎
新しい心で出会う春楽し
下仁田中1年 並木 安基
山桜おくれて空をいろどれり
赤城養護小児医療分校中2年 小池 沙月
それぞれが春の終わりをえがいてく
渋川赤城南中2年 津久井智洋
思い出に桜の前で記念写真
渋川小野上中2年 佐藤 響乃
空の青押し上げるごと八重桜
吉岡中2年 高橋 怜佑
もう近い夏の気配を感じてる
東吾妻太田中2年 剣持 真琳
窓ごしに桜見ながら読書する
高崎中尾中3年 唐木沢友輝
しゃぼん玉光って見える空模様
渋川赤城北中3年 田子 琴音
雨降って殻に隠れるカタツムリ
渋川赤城北中3年 角田  慎
藤の花夕日に色の濃くなりし
吉岡中3年 小林 侃暉