鈴木伸一選

2012年7月12日上毛新聞掲載


家庭科のぬってるぬので汗をふく
前橋大胡小5年 奥泉 優真
【評】家庭科の授業中、暑くて汗が出てきます。思わず縫っていた布でふいてしまったというのが、何ともゆかいです。
缶けりの音ひびいてる夏の空
前橋山王小5年 南雲 優介
【評】缶のかわいた金属音が、夏の空にひびきます。音だけを描いて、回りの情景を読者に想像させる書き方がうまい。
風かおる目をほそめてる家の犬
中之条小5年 星野 礼旺(れお)
【評】日ごろから犬と仲良しの人でないと書けない俳句。それは、「目をほそめてる」という発見によく表れています。
お祭りはだんだん大きな音がくる
水上小5年 伊尾木沙都
【評】山車だしのお囃子はやしの音が、遠くからだんだん近づいてくるのでしょう。音が大きくなるにつれ、心もはずんできます。
風かおる不器用だけど図工好き
伊勢崎赤堀小6年 見供 湧悟
【評】こういう前向きな気持ちは、とても尊いものです。好きであれば作品にも自然と心がこもり、人の胸を打ちます。
かさたても梅雨の晴れまに小休止
伊勢崎赤堀東小6年 大比良紗奈
【評】梅雨どきのわずかな晴れ間。雨の日は傘でいっぱいの傘立ても、今はちょっとのんびりしているように見えます。
峰雲が夏の大空うめつくす
渋川赤城北中1年 狩野 純汰
【評】「峰雲」は、山のように盛り上がった入道雲のこと。いかにも雄大な夏の風物詩ですが、雷には注意しましょう。
麦香る空の向こうは茜色
渋川赤城北中3年 近藤 海乃
【評】熟れた麦の香と、夕焼けの茜(あかね)色。嗅覚と視覚の双方から、夏の季節感をとらえました。正攻法の書き方も好印象。
夜の空黄色のボートで旅してる
前橋桂萱小5年 都丸 果南
休みの子明日はくるかな夏の雨
伊勢崎赤堀小5年 佐藤  迅(はやて)
八ツ場橋新緑の中そびえたつ
中之条小5年 竹和  華
田んぼでねアメンボにんじゃはしってる
前橋大胡小6年 金子 龍玄
雨雲に大きな古墳そびえたつ
前橋大胡東小6年 織茂 陸駆(りく)
台風きて次の日すぐに夏もきた
前橋粕川小6年 宮原 梨奈
大仏を見上げた空に雲一つ
前橋山王小6年 竹内 陽香(はるか)
時々ね巣立ったツバメがやってくる
前橋白川小6年 奈良 龍生
席がえでまた三の川風かおる
伊勢崎赤堀小6年 伊井 梨菜
光の手空に広げる花火たち
伊勢崎赤堀小6年 浜口 勇人
太陽が今日もはりきる夏の午後
渋川赤城北中1年 石田ことみ
ビー玉をのぞきこんでる夏の空
渋川赤城北中2年 石田ほのか
金魚視るうらめしいほど晴れの空
渋川赤城北中2年 吉川  梢
雨蛙僕のほうが泣きたいよ
渋川赤城北中3年 石田 玄太
田に映る夕日の映画見る蛙
渋川小野上中3年 竹内 義和
夏近し大きく動く心かな
東吾妻太田中3年 林  暁美